小説 歌人 西行 平安末期 2023.11.20 三種の神器の一つ、天叢雲剣が壇ノ浦の海原深くに沈んでいく…。 新西行物語 【第1回】 福田 玲子 弓張の 月にはづれて 見し影の やさしかりしは いつか忘れん この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 平安末期、天才歌人・西行が長年想い焦がれた女性がいた。忘れ得ぬその面影に惹かれて武士の道を捨て、家族を捨て、出家遁世し、生涯月と花を歌い続けた西行の軌跡をたどる。※本記事は、福田 玲子氏の書籍『新西行物語』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【第7回】 春山 大樹 顔面まで焼けただれ、身元不明。いじめ被害の女子高生は、なぜあの公園で灯油を被ったのだろうか。 二〇一四年三月二十三日、月曜日の昼休み、急に教室が騒がしくなった。スマホに衝撃的なニュースが流れてきたからだ。その日の未明午前三時頃、山本公園で火災発生の通報があり消防隊が駆け付けたところ、人が炎に包まれて倒れているのを発見。病院に救急搬送されたが全身に火傷を負っており、意識不明の重体。近くに灯油を入れていたポリタンクが落ちており、焼身自殺を図ったものと思われる。顔面を含め全身が焼けただれている…
小説 『ネムとジド』 【第8回】 喜田 美樹 「おねがいです。どうか、この子たちをひきはなさないでください。」やせたジドに寄り添うネムを見て、母は訓練士に懇願する。 【前回の記事を読む】ジドを飛ばせるためにやとわれた訓練士。なかなか言うことを聞かないジドに腹を立て、気性が激しい猟犬をつれてきて…それはジドにむけたものではなかったが、その木にいた鳥が、白いのも、黒いのも、茶色いのも、黄色いのも、みんないっせいに飛びたった。みると、なかに一羽、まっ白い、おかしなものがまじっている。―いた、あいつだ!訓練士は、犬をけしかけた。しかし犬は、空の鳥にはなんにもできない…