2つほど前の駅を通過した時から、朝子は見られていると思う。こんな感覚は久しぶりだ。自分よりも10歳くらい年下の少し神経質そうな細縁メガネの会社員らしき男。じっと彼が見ているのだ。いや瞠目といっていい。気味が悪い。52にもなって見てくる人なんているはずもない。それは若い頃はもてた。いや、結婚して30代でも、いやいや40半ばでもまだいけた。買い物の途中でお茶に誘われたり、パート先の直属の上司や出向し…
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