【前回の記事を読む】作業前にまず説明書にある展開図や分解構成図を読み込む、もしくはどういう構造になっているかいろいろな角度から確かめてみる
第7章 修復の実際
7.1 動力機構部(モーター、ギヤ、車輪、蒸機ではロッド類・動輪)
第2章、3章で不具合の見分け方と原因の絞り込み手順についてフロー図を記しましたのでこれに基づき具体的に例を挙げていきます。
上位故障モードである“まったく動かない”を説明します。
蒸機、電機、ディーゼル機、電車等問わず動力車ではまずこの不具合がきっかけとなります。製品年代、メーカー問わず横型モーターを用いる蒸機以外は共通構造が多く、最近では2種類に大別できます。
①縦型モーター+インサイドギヤを用いた片側又は両側台車駆動
②横型モーター+ユニバーサルジョイント+台車内ギヤ駆動の片方又は両台車駆動
①はHOゲージ系の旧来タイプの動力伝達構造で、修理の際はこの構造がまだまだ主流となります。
②はHOゲージ系では“MPギヤ”“ACEギヤ”など、Nゲージでは全般に用いられている動力ユニットです。比較的このユニットの故障はまだ少ないです。