【前回の記事を読む】ROCO(R1)社製DCCコントローラーは国内ではあまり普及していないが初期設定さえうまく入力できれば使い勝手は良い
第7章 修復の実際
では実際の修復について不具合箇所ごとに分けて説明していきましょう。
多くの場合1か所だけが原因で不具合が起こることは少なく何か所かが関連して動かないとか、ライトが点灯しないとかになることがほとんどです。
その前に、皆さん車体本体と下回り駆動部を分離するところから戸惑うことが多いでしょう。
どこから車体を取り外したらよいか、変に開けたら車体を傷つけたり壊したりしないか、元に戻せなくなったらどうしよう、などと心配になります。
まずは同封されている説明書にある展開図や分解構成図をよく読み込みましょう。客車など動力車以外では付属していない場合もありますがどういう構造になっているかいろいろな角度から確かめてみてください。
代表的な機種やゲージで大まかに傾向を整理してみますと、
①HOゲージ系金属製
1)蒸機
先従輪をボイラーに止めるネジと運転台(キャブ)最後部下に2か所台枠(シャーシ)をネジで固定する機種が多いです。その他では本体の煙突やドーム下にあるネジで固定している機種が、特に海外製で多く見られます。ロッド関係は分解してはいけません。ロッドで不具合があったときは別途順序だてて取り外します。
2)電機、ディーゼル機関車、電車、客車など
いわゆる「箱型」車では床下の四隅と中間部の片側2か所の計6~8か所のネジで固定されている車輛が多いです。
②HOゲージ系/Nゲージのプラスチック製
1)蒸機系
カプラー、前方デフ板やデッキ部やキャブ部とボイラー本体、アクセサリー部が別々に嵌め込まれて組み込んでいる例が多いです。接着剤やネジは使われていません。組み込み順があるので分解したら必ず写真で記録しておきましょう。力づくで外して嵌め込みフックなどを折らないように気を付けます。
その際集電用のリン青銅板などが挟まっていることが多いので位置関係を把握しておきます。それと間違ってもロッド関係は外してはいけません。
2)電機、ディーゼル機関車、電車、客車など
「箱型」の品種では本体内側にある凹部と床板に一体成型された鉤型フック凸部に引っ掛かって固定している車輛が多いです。
ひっくり返して床板と車体本体端部の間に少し押し広げてフックの場所を確認し、それから“ヘラ状”の「パーツオープナー」のような薄刃の平板で、床下側から押し込んで少しずつ押し上げるようにして車体本体と床板側を外していきます。ドライバーなど刃幅が狭いと左右に回ってプラスチック自身を傷つけることが多いのでお勧めしません。
動力車やライト系が備わっている車輛では組み込まれているユニット部品も外れることが多いので、それらの位置関係を撮影・記録しておくと良いです。