少し間延びした声を掛けながらドアノブを回し、ゆっくりと足を差し入れる。爪先を滑らせてから中を覗いた。部屋は暗く、リビングからの光が一筋寝室に差し込み、帯を作っている。そしてそれを広げるように僕は扉を開いた。「大丈夫か?」返答はない。「おばさんがな、お前の様子を見てくれってさ」光の帯はお前の布団を照らし出した。がらんどうな部屋に一組布団が敷いてあり、中がこんもりと膨らんでいる。僕はお前が寝ていると…
サスペンスの記事一覧
タグ「サスペンス」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第10回】ホエラニア
「構ってちゃんとか嫌いなんだよ。ほっといて欲しいなら一生そうしてろ」足音を荒げて部屋を出たが…あれ?違和感。あれがない。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第9回】ホエラニア
「本当に事故なの? 酔っぱらって転んだにしては、ちょっと…本当に酷い怪我だよ。何だか怖い。遠くに行っちゃう気がして」
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第8回】ホエラニア
「なぁ、何か言って」そっと肩に触れる。教えてくれよ、お前に何があったんだ? 何か言ってくれよ、泣くだけなんておかしいだろう、お前、お前。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第7回】ホエラニア
殺してやる...背中でもさすってやろうとした途端、お前の体が跳ね、僕の手が振り払われる。隻眼が僕の目を貫き、僕に襲いかかり、確かにこう言った。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第6回】ホエラニア
そこから血と鼻を突く臭いがして、ゴミ袋を見やる。お前の服が死んだねずみの塊みたいに固まっている。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第5回】ホエラニア
死に直面した人間が吐き出すような絶叫に、尋常でない様子の親友を訪ねる。扉が人一人分きっちりと開いて、僕の目の少し下辺り、お前の頭が揺れている。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第4回】ホエラニア
ライブ配信中に親友が上げた叫声。どんなホラー実況よりも恐ろしい叫びに、一瞬にして実況画面は混乱に陥った。これは記憶の中の音で幻聴なのだろうか。いや、僕は知っている...
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第3回】ホエラニア
「いたあああああいいいいいいいいよおおおおお」錆びた釘束を血反吐と一緒に吐き出しているような悲鳴が、かろうじてお前とわかる声音で耳をつんざいた。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【第2回】ホエラニア
予定の時間に来ず、電話に出ず、配信をすっぽかし、僕を無視する。この十数年間を共にした僕を。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ 』【新連載】ホエラニア
玄関を覗いたが、物音一つ気配すらなかった。数通まとめてメッセージを送った。注意、怒り、心配、呼び掛け。だが、お前はいない。
-
小説『シュバルツ・ヴァルト』【第7回】萬野 行子
兄の車がフェンスに激突し、大破した。砕け散った破片がスローモーションで四方に飛び散った。そして私はたった一人の兄を失った
-
小説『刑事狩り』【第11回】人見 謙三
「お前達! 誰の許可を得てホシをパクった?」「許可って、課長じゃないんですか?」上司の指示を無視して、俺が許可したことに…
-
評論『詐欺師×スパイ×ジェントルマン』【第5回】鱸 一成
アメリカ生まれの詐欺師トム・リプリーが向かった田舎が美しい国「イタリア」
-
小説『スクリーン』【第3回】山田 健太郎
突然の逮捕、そして勾留延長。「弁護士はどうされますか?」と聞かれて両親の顔が頭に浮かんだ
-
小説『シウカラ』【第5回】山田 光美
「父は、誰かに殺された」—!? その男は「絶対に外部には漏らさないように」と、警察に自殺と処理された父親の話を始め…
-
小説『シュバルツ・ヴァルト』【第6回】萬野 行子
兄の事故死の謎。他のレーサーに比べて年若く、童顔で明るい性格の兄は、レースの外でも仲間やライバルたちに人気だった。
-
小説『刑事狩り』【第10回】人見 謙三
「ったく、本部に媚を売ってまで手柄が欲しいのかね」!? 強行犯係に捜査を命じたが、やはり奴らに歩み寄りなんかなく…
-
評論『詐欺師×スパイ×ジェントルマン』【第4回】鱸 一成
「紳士」という言葉から読み取る近代ヨーロッパ社会。後付けの才能が生み出す、歪んだ紳士のすがた。
-
小説『スクリーン』【第2回】山田 健太郎
彼女を崖から突き落とした罪で尋問を受ける男子高校生。昨日までの記憶を必死に辿ると......
-
小説『シウカラ』【第4回】山田 光美
モノをモノとして認識するために必要なもの…それは「名前」。それはモノとしてつなぎとめておく鎖のようなもの