刑事狩り

「失礼します。本日付けで強行犯捜査係を拝命しました有田です。右も左もわかりませんが、一生懸命頑張りますのでご指導よろしくお願いします」

有田は課員の前で頭を下げ、着任の挨拶を行った。

「じゃあ加藤係長、よろしく頼むぞ」

佐伯は加藤に声をかけたが、加藤は我関せずでパソコンをいじくっていた。

「有田さんよろしく。ここの机使っていいよ。わからないことあったら何でも聞いて」係員の手塚が笑顔で迎え入れた。

「ありがとうございます」

有田は頭を下げ、与えられた机の上に荷物を出し始めると、それを見た加藤がパソコンを閉じて立ち上がった。

「手塚、裏付け行ってくるわ」

「了解です。ああ、せっかくだから有田さんも連れて行ってあげたらどうです?」

「そんな来たばっかりの素人を連れて行ったら捜査になんねえだろ。そいつにはお茶くみでもさせとけ」

加藤はしかめ面をして部屋を出て行った。

「相変わらずひどい言い草だな。有田さん、気にしないでいいからね。係長は照れてるだけだから」手塚がフォローを入れる。

「はい、申し訳ありません」

「有田君、ちょっと」