(4)吉祥天のまえで、曹洛瑩(ツァオルオイン)とことばをかわしたあと、私はふたたび、麵づくりに汗をながしながら、寺には寄りつかぬ、と、きめた。たびたび顔を出そうものなら、飛蝗(バッタ)に勘づかれて、あの子が危険にさらされてしまう。再会したときを思えば、身体の奥があつくなることもあった。懸想を絶つには、ほかのことで頭をいっぱいにする必要がある。このときばかりは、麵づくりの重労働に感謝した。目の前の…
純文学の記事一覧
タグ「純文学」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『花を、慕う』【第57回】堀田 冀陸
眉目うるわしい人は、食べる姿も、清雅たるものだ。
-
小説『流行作家』【第7回】夏目 ゆきお
驚きと疑問…「芸術とエンターテインメントの融合」だって?
-
小説『花を、慕う』【第56回】堀田 冀陸
願い続けて3年。美しい娘に成長した少女との再会
-
小説『花を、慕う』【第54回】堀田 冀陸
批判も揶揄も諷刺も、なにもかもがゆるされない。
-
小説『流行作家』【第6回】夏目 ゆきお
『芸術性を持った純文学の定義』も時代によって変わる
-
小説『花を、慕う』【第53回】堀田 冀陸
思わずぎょっとする。客が顔を覆っていた白布をはずすと…
-
小説『花を、慕う』【第52回】堀田 冀陸
自分を殺すのだ。殺して、殺して、日々の生を拾うのだ。
-
小説『花を、慕う』【第51回】堀田 冀陸
気軽に本音も話せない…ふともらした一言が命とりに
-
小説『流行作家』【第5回】夏目 ゆきお
落選か受賞か、その評価は紙一重…文学賞最終選考の舞台裏
-
小説『花を、慕う』【第50回】堀田 冀陸
娘は一心不乱に食べ続け…「おかわり!」どんぶりを差し出す
-
小説『花を、慕う』【第49回】堀田 冀陸
「おじさん湯麵(しるそば)ちょうだい」若い宦官と思いきや…
-
小説『花を、慕う』【第48回】堀田 冀陸
異国から商人が到着すると市場はいろめき立つ…彼らは上客だ
-
小説『流行作家』【第4回】夏目 ゆきお
その気になれば誰でも作品を発表できる『一億総作家時代』
-
小説『花を、慕う』【第47回】堀田 冀陸
めぐりあった花の記憶…生きていれば、またいつかどこかで
-
小説『花を、慕う』【第46回】堀田 冀陸
「なぜ変装を?」太い眉の下で少年のような目が笑っている
-
小説『花を、慕う』【第45回】堀田 冀陸
目の前に道が見えていれば、人はどんなことでも耐えられる
-
小説『流行作家』【第3回】夏目 ゆきお
売り込みをしなければ売れない作家なんて、所詮その程度
-
小説『花を、慕う』【第44回】堀田 冀陸
私は、ただの屋台曳きにもどった。いよいよ消されるのか…?
-
小説『花を、慕う』【第43回】堀田 冀陸
初めて酒を飲んだ夜「世界は美しいのかもしれない」と思えた
-
小説『花を、慕う』【第42回】堀田 冀陸
内情は一切明かさぬ、常識ではかれぬ、不可思議な組織