とはいえ、もとより神に答えを望んではいなかった。長居は危険である。神殿に深々と一礼するや直ぐに踵を返し、義経主従は再び山深く紛れ込もうとした。伊勢大神宮の鳥居を出た時、義経は参道の傍らに佇む老僧と目が合った。老いてはいるが一見して武道の心得のあると知れる引き締まった体格である。肩の筋肉が盛り上がっているのは弓の修練の名残であろうか。濃い眉と骨太の顔立ちは、厳めしい。だがその眼と口元には、人が人と…
小説
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