我輩は清掃人じゃ

4.第二の邂逅・第三は運命の女性の苦難?

「よいぞ、よいぞよ。入ってよいぞよ。ここが、我輩の城じゃ。正真正銘の客人じゃ。苦しゅうない。入り申せ」

抱いてみると体長が十センチほどで、毛並みがまだ艶やかなことから、やはりこの黒猫はまだ幼く、キーキーキーキー言うちょる。

こんなめんこい黒猫は、飼い主が、体毛の色に愛想をつかしたんかの。体毛の色など、人間は染められても、猫は一生、変えられん。じゃがの、神様から受け取った、宇宙絶対の普遍的な設定は、変えることをしてはいかんのじゃ。

「めんこいのう~~。確認すると、お主は男の子みたいだがの、我輩とともに生活したいのかの?」と訊いても、さすがに猫のため、残念にも返事が返ってこない。

「まぁええわ。仲間が増えて我輩も嬉しいわ。末永くともに前進していこうぞ。そうじゃな、名前をつけなければの。黒くて熊みたいじゃからの、クマ君じゃ。お主の名前は、クマ君じゃ」

言われても何が何だかわからないものじゃから、ぱっちり開いた両目をパチクリし、そこがこの子のチャームポイントじゃの。めんこいわ。

とにかくクマ君との新しき生活が始まり、あとは仕事に慣れて、安住とは何とかやっていけそうじゃし、余裕が生じたことから、恋をしたくなったのう。燃える恋じゃ。

クマ君は猫であるし、恋愛の対象には、基本的にしてはいけないし、不可能じゃ。我輩は、成熟した、美しい女性と恋愛したいのじゃ。