大阪に単身で赴任してから、早いもので二年の月日が流れようとしていた。一昨年の三月中旬、石原達郎は上司から四月一日付けで大阪へ異動するようにと内示を受けた。それには、課長代理という昇格の肩書きも付け加えられていた。達郎はまだ三十三歳だったので、その年齢での課長代理への就任は、同期の間でも群を抜いて早かった。その意味で、達郎はこの昇格がとても嬉しかった。だが、妻の智子がいっしょに大阪に同行してくるか…
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