【第三章】

3 人工腰椎挿入手術

■2021年10月30日

昨夜は医療用麻薬を投与し、鎮痛剤を服用し続けた。麻薬をもってしても効かず、妻は朝まで痛みと闘った。その後、力尽き睡眠に入った。

今日は様々な看護師が部屋に出入りした。全ての方々のネームプレートを見ては、苗字を大学ノートに記録した。いつの日かお礼を言いたい。

どんな備品で介護することがベストなのかメモを取った。医薬品以外は家にある品で応用が利く物もあり、退院後、何をどう利用すべきか参考になった。

様々な若手看護師に支援頂くが、男性看護師は院内の野球チームで体を鍛え、女性看護師は子育てと並行する等、必ず2つの世界のバランスを保ちながら、社会的な平衡感覚を失わないように努めていると聞いた。

糞尿の回収、悲鳴と血を浴びながら、深夜冷静に勤務する看護師たちの逞しさを神々しく感じた。

「私が仕事の穴を開けながら大変申し訳ありません。会社の皆さんには少しでも家庭という世界も大切にされ、平穏な人生を歩んで頂けると幸いです」

■2021年10月31日

個室病棟の隣室に、新たに頭部を強打した男性が入院した。深夜、10分おきに奇声をあげ、それは5階フロア全体に響いた。事故による負傷らしく、自傷行為の可能性のない彼には、残念ながら付き添いは禁止され不憫に感じた。