エッセイ 小説 詩 せつなさ 恋 2024.07.14 嵐の夜も、太陽の注ぐ昼も、霧がかった朝もやの中も、真珠の涙を貴方に届けます。 わたがしに触れたように 【第5回】 小林 世以子 切なくて苦しくて、それでも君に出会えてよかった この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 恋のよろこびと試練、日常のささやかな愛、等身大の自分……鮮やかでまっすぐな言葉がつめこまれた、100篇の詩を収録。※本記事は、小林世以子氏の書籍『わたがしに触れたように』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 雨・涙 Tears of Pearl 真珠の涙を 貝殻に詰め込んで 貴方に届けます。 嵐の夜も 太陽の注ぐ昼も 霧がかった朝もやの中も 貴方に届けたくて。 必死に流れていくように 祈りながら涙を流しました。
小説 『家族の闘病記ピックアップ』 【第3回】 成田 たろう 3月上旬、がんの手術のため妻が入院。腫瘍が3カ月で約3倍の大きさに。全部取り切り、何も問題はないと思っていた、その時は。 【前回の記事を読む】「飲むのも、仕事のうち」その生活が一変!妻ががんになり、ほんの少しの時間でも今は妻と一緒にいたい…千恵のがんの手術で十日ほど入院することから、ご飯の炊き方と洗濯機の使い方だけは教えてもらった。「お米の研ぎ方は、一回目の水のすすぎは浸すだけ。その後、手のひらで揉むようにして、四回ほど洗って、はい、やってみて」私は一回目からしっかりお米を研いでいたので、よく叱られた。私は強情な性…
小説 『伊豆の御社』 【最終回】 ほそや まこと 「店に迷い込んでくる客は大抵"カモ"」彼の餌食になった客は商品が何であろうと買わされる。その手口とは… 【前回の記事を読む】右の脇腹を描こうとしたときに何故か手が止まった。そういえば、マサヲ(秋田犬)の死因は右側の臓器の悪性腫瘍と聞いており…それはマサヲを囲んでいた犬たちの生前の飼い主にそれぞれの犬の思いを伝えてほしいということだ。言われたときはあまり深く考えずに安請け合いしたのだが、よくよく考えてみると、それぞれの犬と繋がるにはそれぞれの肖像を描かないといけない。それはそれで大仕事だ。そもそも絵…