エッセイ 小説 詩 せつなさ 恋 2024.07.14 嵐の夜も、太陽の注ぐ昼も、霧がかった朝もやの中も、真珠の涙を貴方に届けます。 わたがしに触れたように 【第5回】 小林 世以子 切なくて苦しくて、それでも君に出会えてよかった この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 恋のよろこびと試練、日常のささやかな愛、等身大の自分……鮮やかでまっすぐな言葉がつめこまれた、100篇の詩を収録。※本記事は、小林世以子氏の書籍『わたがしに触れたように』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 雨・涙 Tears of Pearl 真珠の涙を 貝殻に詰め込んで 貴方に届けます。 嵐の夜も 太陽の注ぐ昼も 霧がかった朝もやの中も 貴方に届けたくて。 必死に流れていくように 祈りながら涙を流しました。
小説 『岬 上巻』 【第11回】 まつはじめ 「運転資金は出せそうにない」はっきりしないまま、突然の手形割引拒否! その町には産業という産業はなく、多くの人が都城市に働きにきていた。「そうでしたか。彼が関東工場の企画書を作ったときは、さすが銀行マンだな、と思いましたよ。でも、あとで聞いたことですけどね、銀行には、模範企画書があって、それに適合しているかチェックするだけでよいようになっているそうですよ。模範企画書に沿って作っただけですよ。たいした頭は要らないそうです」「そうかもしれん。チェックリストに沿っていれ…
小説 『にゃん太郎の冒険物語』 【第3回】 作間 瓔子 ある日、赤い首輪をかけてくれた。アニメ映画に出てくる黒猫みたいだと、会う人みんなが僕をはやし立てた。 ある日、智子ママは赤い首輪をかけてくれた。魔法使いの女の子が荷物を届けるアニメ映画に出てくる黒猫みたいだと、会う人みんなが僕をはやし立てた。僕は抵抗せずに、智子ママが出かけたときは、できる限りきちんと留守番をして、なるべく阻喪(そそう)もいたずらもしない。夕方には、猫キャラさながらに二階のベランダの縁に上がって、じっとママの帰りを待っている。家の前の歩道を歩いてくる姿を見つけると、同時に智子ママ…