エッセイ 小説 詩 せつなさ 恋 2024.05.26 初めて貴方を恋しいと思った。帰りたい、夢の中に。もう此処に貴方はいないから。 わたがしに触れたように 【第4回】 小林 世以子 切なくて苦しくて、それでも君に出会えてよかった この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 恋のよろこびと試練、日常のささやかな愛、等身大の自分……鮮やかでまっすぐな言葉がつめこまれた、100篇の詩を収録。※本記事は、小林世以子氏の書籍『わたがしに触れたように』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 雨・涙 雨の日曜日 今朝 初めて 貴方を恋しいと思った。 夢の中ですら 笑顔を作るのが難しかった。 貴方が微笑み返してくれた時 本当に嬉しかった。 帰りたい 夢の中に。 だってもう 此処に貴方はいないから。
エッセイ 『逆境のトリセツ[パラリンピック特集]』 【新連載】 谷口 正典,益村 泉月珠 右足を切断するしか、命をつなぐ方法はない。「代われるものなら母さんの足をあげたい」息子は、右足の切断を自ら決意した。 失うのは生命か右足か究極の選択まだ寒さが残る三月。午前二時。ピンポーン。「こんな時間に誰?」上着を羽織りながら玄関を開けた。そこに立っていたのは、背筋を伸ばした警察官だった。「正典さんのご家族の方ですか」「正典の母です。どうかしたんですか?」「正典さんが、国道二号線でトラックとの事故に遭いまして……」「え……、正典は無事ですか?」「現在、病院に搬送中です」動転した母は、兄と一緒に俺が運ばれた病院…
小説 『ザ・キュレーター』 【第2回】 そのこ+W やっと叶った新婚旅行。しかし彼らの隣に座った一人の女性との出会いによって今回の旅が一変することに… 【前回の記事を読む】レオナルド・ダ・ヴィンチの生家があるイタリアのヴィンチ村。レオナルドの父は若い頃この村に住み公証人をしていて……彼は一年間のフィレンツェでの絵画修業を終えて、自分の国に帰ろうとしていた。 本当はもっと長く、出来たら三、四年くらいいてもいいと思ってイタリアにやって来た。フィレンツェは彼の生まれ故郷であり、八歳まで過ごした町である。だがすぐに自分の見込みは甘かったと気付いた。彼は…