エッセイ 小説 詩 せつなさ 恋 2024.05.26 初めて貴方を恋しいと思った。帰りたい、夢の中に。もう此処に貴方はいないから。 わたがしに触れたように 【第4回】 小林 世以子 切なくて苦しくて、それでも君に出会えてよかった この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 恋のよろこびと試練、日常のささやかな愛、等身大の自分……鮮やかでまっすぐな言葉がつめこまれた、100篇の詩を収録。※本記事は、小林世以子氏の書籍『わたがしに触れたように』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 雨・涙 雨の日曜日 今朝 初めて 貴方を恋しいと思った。 夢の中ですら 笑顔を作るのが難しかった。 貴方が微笑み返してくれた時 本当に嬉しかった。 帰りたい 夢の中に。 だってもう 此処に貴方はいないから。
小説 『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』 【第5回】 武 きき 「私、初めてです。こんなに気持ちがいいって…」――彼の顔を見るのが恥ずかしい。顔が赤くなっているのが自分でも分かった 【前回の記事を読む】「綺麗だ」バスタオルが落ち、丸裸になった私を彼は抱きしめた。「抱いていいかい?」手を引かれ、そのまま寝室へ行き…朝、いつものように、席に着いた。「どうした? 香子、妙に静かだな」顔が、赤くなっているのが、自分でも分かった。「だって、昨日、あんな事、こんな事、そんな事、したから、丈哉さんの顔を見るのが恥ずかしい! 丈哉さん変態なのかなと思ったんです」丈哉さん、コーヒーを吹き出し…
小説 『石刻師リョウ 草原を駆ける風』 【新連載】 雲井 耕 草原にある小さな集落。そこでは遊牧民が"ゲル"と呼ばれるテントで生活をしていた。しかし、穏やかな暮らしは突然奪われてしまう… 写真を拡大草の上にごろりと横になり、手足を大きく広げて空を眺めているリョウの視線の先には、初夏の空が高く澄みわたっている。周りでのんびり草を食んでいる羊の群れを、そのまま天に映したかのような、丸くて白い雲がゆっくりと流れていた。ついふた月ほど前には、川も沼も氷で固く閉ざされていたのに、短い春はあっという間に過ぎ、これからの三ヶ月はリョウが最も好きな季節になる。陽は中天を過ぎてしばらく経っていたが…