エッセイ 小説 詩 せつなさ 恋 2024.05.26 初めて貴方を恋しいと思った。帰りたい、夢の中に。もう此処に貴方はいないから。 便 乗 苦い涙を飲み込んで 甘い唾液を吐きだした 蟻がそれを求めて ゾロゾロと 分けてあげたくもないから 全部踏み潰した 一匹残らず 踏み殺した 私に便乗して 楽するなんて 許さない 許さない だから消した 私はもう 損をしたくないから
小説 『眠れる森の復讐鬼[人気連載ピックアップ]』 【第4回】 春山 大樹 「覚えてない?同じクラスの、公園で灯油被った女の子」…死んだと思ってたが、全身火傷で植物状態のまま入院中らしい。 【前回の記事を読む】「詐病」を疑われた高校生息子。「カイロを隠して体温計を温めることもできる」と医師に言われ…勿論普段も家でごろごろしているだけなので、特に入院生活がそんなに困るわけではない。食事の準備を心配する必要がないだけましである。ただ入院費用は親からの仕送りだけではどうしても足りない。だから入院のことを黙っておくわけにはいかなかった。あの母親のことだから、息子が入院すると聞いたらすわ一大…
小説 『さまよう記憶の行方』 【第3回】 夢崎 秀弥 夫の不妊で子供ができない。「提供精子」での妊娠を提案すると「血がつながってない子は愛せない」と言われ… 【前回の記事を読む】「子供が欲しいからって、ここまでする?」下半身を弄られる屈辱。枕元の看護師が気を紛らわせてくれたが…後日、産婦人科医院に訪れ、医師からカウンセリングを受けた。「体格や血液型が同じ提供者を選び、戸籍上はご夫婦のお子さんとして認められます。提供者の情報は、守秘義務で開示されません」条件は理解できた。だが胸に刺さったのはただ一つ、俺の血は後世に残らないという現実だった。それでも妻が…