『名前 骸骨、年令 不詳、住所 今のところ未定、職歴 理科用標本として×十年小樽市内の××小学校に勤務』云々。これでは誰だって怒り出すだろう。何だか身体がメリメリと床にめりこんでいくような気がした。きょとんとした骸骨にちらりと一瞥を投げかけると、彼は深い溜息をついてしまった。国道は夜になっても車の往来が多かった。昼に較べるといくらか数は減ったのだが、その分だけ全体にスピードが上がり、そのトンネル…
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小説『大王の密使』【第2回】都丸 幸泰
都にて再会するかつての師と弟子 老剣、その懐かしい名前で呼ばれた老子は苦笑し、宮殿へ足を進めた
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小説『店長はどこだ[人気連載ピックアップ]』【第11回】八十島 コト
亡き妻の、浮気相手を見つけたい。遺品となったデパートの包装紙を手掛かりに繁華街を歩く。
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第15回】桜木 光一
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小説『夫 失格[人気連載ピックアップ]』【第14回】時亘 一肇
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歴史・地理『誰も知らない本当の『古事記』と日本のかたち』【第2回】田中 善積
日本の四方は荒海で囲まれているため、国内のことだけを考えれば良いことを天武天皇は何かの拍子に気付いたのであろう。
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エッセイ『還暦の留学生』【第8回】松木 梯
ビーチの砂浜を何することもなく散歩しているだけでも、燦々と降り注ぐカリフォルニアの太陽と潮風に、心が洗われるような気がしました。
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小説『ぎんちゃんの生きとし生けるものとの対話ー里山生活編ー』【第9回】黒沢 賢成
人間は、生き物に、可愛いとか可哀そうという一方的な感情で接するね。その対象となった犬や猫は、本当に不幸だと思うよ。
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小説『泥の中で咲け[文庫改訂版]』【第16回】松谷 美善
いつの間にか異性に対する感情になっていた彼から「今月、あと二十万あれば、僕ノルマクリアなんです」とお金を無心され…。
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歴史・地理『アイスランド、元大使が綴る意外な素顔とその魅力』【第2回】北川 靖彦
温暖化の影響で国内で初めて氷河という肩書きを失った「オクヨークトル」
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小説『ぽろもきの冒険』【第2回】エゾノ はやと
幼さが消えて少年になる頃に両親の元に返されたぽろもき。それは悲しい時間の幕開けだった
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【第14回】桜木 光一
自宅療養許可の条件は3カ月間24時間介護ができること。妻は泣いて喜んだ
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小説『店長はどこだ[人気連載ピックアップ]』【第10回】八十島 コト
誰かにだいぶ惚れていた亡き妻…浮気を疑い続ける夫はデパートの店長を探す。
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エッセイ『嫁姑奮戦記[人気連載ピックアップ]』【第13回】大野 公子
このまま寝てくれたらとの願いも空しく、夜11時にけろっと起き、例のごとく動き回る姑。今夜もまた徹夜かな…
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小説『夫 失格[人気連載ピックアップ]』【第13回】時亘 一肇
不倫相手からメールが届く 上から目線でふてぶてしく、同情的な言葉に高じる怒り