2 七月三十一日挑戦開始慣れきった生き方をぶち壊して、新しい人生の可能性を探りたかった。過去という秘境、青春の暗い森に分け入り迷い込み、己を堕落や愚劣、無意味と虚無に染め上げ、目の粗いヤスリでこすりつける。澄ました係長面している自分を、ヒリヒリするマゾヒスティックな喜びと情熱でもって、破壊してみたいのだ。するとそれは、小説を書けるようになるためとはまた別個の、それ自体が価値ある面白そうな行為にも…
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