僕はトイレを出ると、エレベーターで一階へ下りた。守衛室の前を横切り、裏口を出ると、歩行器を駐車場の陰に隠し、ピョンピョンと片足でコンビニへ向かった。ちょっとだけならバレない。論理的な考えを放棄して、自分の本能に従うことにした。病院の敷地を出て、川沿いの小さな通りを進んだ。左足が三分の一の荷重であっても、右足だけで歩けば問題はない。看護師が見たら、なんと言うだろう。見つかったら、そのときはそのとき…
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小説『オレンジ病棟』【第18回】朝丘 大介
ちょっとだけならバレない。病院の敷地を抜け出してコンビニへ向かう…看護師「見ていないようで、結構みんな見てますからね」
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第5回】行久 彬
父の不名誉な死―母は生計のため叔母や親戚筋から大反対されるもスナック開業を決意
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小説『維新京都 医学事始』【最終回】山崎 悠人
逆子の頭が産道にひっかかった。このままだと、赤ん坊は首吊り状態で窒息死してしまう。医師は鋏と鉗子を取り出して…
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第4回】行久 彬
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第3回】行久 彬
私だけがなにも知らなかった…ある日級友から父が自殺した事情を聞かされて…
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小説『光と闇の相剋』【第18回】髙嶋 郷二
世の中には科学で証明できないことが山のようにある。神・光の子・救世主...世界の破壊を防ぐため突如として託された使命
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第2回】行久 彬
父は一月のある寒い朝、酒を大量に飲んで漁具の鉛を腹に巻きつけ冷たい海に飛び込み自殺した…
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エッセイ『振り子の指す方へ』【最終回】山口 ゆり子
「私、まだ生きているよ。でも、もう止めたい」…事故で恋人を亡くした私は、ひとり呟き、当てもなく歩き続けた。
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小説『乱世、一炊の夢』【第11回】安藤 恒久郎
【戦国時代】家臣に無血開城を拒否された佐竹義宣…放っては置けない。企てた策略に、父は「これは偽書ではないのか?」と…
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小説『標本室の男』【第34回】均埜 権兵衛
「どなた? この辺の人じゃ…」骸骨に全く動じない少女。視線が合わず、白い杖を持っていて…
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小説『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【新連載】行久 彬
町一番の稼ぎ頭と言われていた父のある噂―なにも知らない母に近所の女性が近づいてきて…
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小説『ジュピターと仲間達 Jupiter & Friends』【第10回】ジェフリー 樫田
村を襲った山賊達に母上を連れ去られ…自分、弟、妹とジュピター、タイガー、フレイジャー三匹だけの食事
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小説『赤い靴』【第11回】高津 典昭
暴れたい放題のDV父と同じ屋根の下、家を出ずに就職すると言う娘。その理由は、母を守りたいから…
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小説『透視男』【第13回】上田 晄暉
「キックバックの帳尻合わせに、横領を擦り付ける…ターゲットは僕なんです。助けてください」捨てられた子犬のような目で…
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小説『善悪の彼方に』【第13回】叶浦 みのり
「うちの父の事件」…? 確か火事の原因は、火の不始末という”事故”だったはず。それを、意味ありげに”事件”と強調したのは…
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小説『弔いの回想録』【第5回】松田 浩一
戦地帰りの男と割烹料理屋の店主が口論。ついには「この包丁で貴様を刺し殺さないと気が収まらない!」と、包丁を持ち出し…
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小説『上海の白い雲』【第10回】河原 城
妹が天国に逝った。幸せな人生を送らせてあげたかった。お金を貯めて、大きな病院に入れて、私が毎日お見舞いに行って…
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小説『哀瞳のレムリア』【第7回】岩下 光由記
ネイティブアメリカンの末裔の儀式に参加。年老いた女性から「誇り高い勇者の民の末裔ね」と言われ…
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小説『アザレアに喝采を』【第7回】藤咲 えこ
生理は来ないことが当たり前になって、体重は36キロになった。目だけが大きく、何を着てもぶかぶか…食べることが怖い。
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小説『海辺のレクイエム』【第7回】源 久
恋人のふりをする彼女。日本人離れした色白の目鼻立ちの整った顔立ちだが、それ以上に男の目を惹く女だということを感じずにはいられなかった。