1「お誕生日おめでとう」と養父が言った。博昭は軽く頭を下げた。特に嬉しくもなかったが、嫌でもなかった。親子で誕生日を祝うのは毎年の恒例であったし、何より父と議論をするのが好きだった。「どや。三十六歳になった感想は?」と父が聞いてきた。「プールの折り返し地点をターンし、水中から水面に出るような感じでしょうか。浮かび上がるというか。まあ、少しわくわくしています」「そうか。彼女でもできたんか?」「いえ…
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