長っ尻の梅雨が去ったばかりだというのに、季節の気まぐれは容赦ない。唐突に顔を出した真夏の陽射しが、全面ガラス張りの向こう側のテラスをじりじりと炙っている。その様子を冷房の効いた学生食堂から眺めていた国生(くにお)は、胸を撫で下ろさずにはいられなかった。今日は午後の授業がないので、この炎天下へ出て行かずに済む。誰もが意味もなく浮き立ってしまう、眩しい季節がやって来た。ただ、この特有の解放感に浸って…
小説
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『お嬢様の崩壊』【第6回】いけだ えいこ
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『お嬢様の崩壊』【第4回】いけだ えいこ
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『お母さんの煮しめ[コンテスト特集]』【第2回】江川 知弘
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『薔薇のしるべ』【第3回】最賀茂 真
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『お嬢様の崩壊』【第3回】いけだ えいこ
同級生のほとんどが腰かけで有名企業に就職し数年で寿退社。新築祝いを贈るばかりで自分に返ってくる見込みもなく…
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