黒い森に行くつもりで、僕はワルツさんを振り返った。ワルツさんは僕を抱き上げ頬ずりをした。ワルツさんは何か言いたげだった。カトリーヌは一緒に来たがった。だけど、僕はひとりがいい。それに今日はひとりで行かないといけない。 ずっとこのところ僕は変だった。黒い森にいる時に一番幸せを感じていた。黒い森で生き物の死骸は土の中に埋もれたまま、腐っていく。僕はその上を平気で歩く。その時に僕は思う。僕は僕でいいっ…
小説
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『カトリーヌと囁き森』【第17回】智佳子 サガン
「囁き森」が僕を呼ぶ。僕は死神を呼ぶ黒猫だから僕は僕にふさわしい場所に行くよ
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『お母さんの煮しめ[コンテスト特集]』【新連載】江川 知弘
【コンテスト大賞特集】わたしは、お母さんの作る煮しめが大好き!他の煮しめとは違って色が茶色くて濃いからとっても美味しいの
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『雪女』【第3回】佳 英児
ゴルフ練習場で気になっていた美しい女性。「お隣で一緒にどうですか」と声をかけてみたところ…
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『青の中へ』【新連載】
鯛焼きを買った帰り、海岸橋を渡ると青い海が見える。鎌倉での生活でふと思い出す"青"の記憶
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『ネムとジド』【第3回】喜田 美樹
鳥たちのように、高くも、遠くも飛べないが、それでも空を飛んだのだ。愛犬が導く新たな一歩
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『猫の雨傘と僕のいる場所』【第3回】倉澤 兎
郵便局に再就職してから一週間、笑いをこらえ頭を下げることが一日のスタートになっていた....
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『野球の子』【第6回】大藤 崇
母の死によって一変する生活 「僕にはもう、何もなかった。」それでも、ラジオだけが心を躍らせた
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『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』【第16回】坂田 憲治
外交のプロの神業? ペテン師達の無責任な交渉の責任を負うのはたった一人…
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『ぼくらの風船』【第6回】美山 よしの
自分のことを「チビ」と言われても我慢していた。でも、妹のことを「バカ」と言われたのには我慢できず…
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『しまなみ海道に消えたミス』【第6回】風向 良雄
逢えることができる確約でもあれば休みを取りここまで来ることはできる。恵利子の心を支配する、突然現われた男…
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『波』【第6回】内木 宏延
「そして叫ぶわ、『どうか私を、時間の輪の外にいつまでも放り出したままにしておかないで!』」
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『ザ・総選挙』【第23回】利根川 尊徳
「区長時代の最大の功績は『荒れない成人式』をできた事!実現したい政策は自衛隊の国軍への昇格、選挙制度の改革、教育改革」と演説
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『俺たちのアビリティフォース』【第21回】藪坂 りーた
2度目の憑依生命体との戦いは気絶して終わりしょげる俺。そんな状態のなか突然仲間を紹介されてそれぞれの目線が一気に自分へと集まり…
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『迷いながら揺れ動く女のこころ』【第19回】松村 勝正
ジムで気が合いそうだなと思っていた女性に誘われて一緒にカフェへ。「独り身になってから、気が向いた時に空の人になっているわ」と香水の甘い香りを漂わせながら話す彼女
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『リストラおやじ、アイドルになる』【第14回】椎名 雅史
息子が警察沙汰に巻き込まれたことをきっかけに固まる決意 一家の大黒柱として働き口を探す…
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『ナーダ・サーガ 「無の国の物語」』【第15回】茂木 光春
「聖書の木」は三~五千年前からシリヤのオアシス地帯にあったという。その木の実を食した者の中から「預言者エレミア」が生まれ「エゼキエル」が生まれ、やがてはあの「イエス・キリスト」が生まれた
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『氷上の蠟燭』【第9回】安達 信
腹部超音波検査で膵臓付近に〝しこり〟らしいものが見えるということで再検査をすることに…
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『飛燕日記』【第15回】春乃 夜永
自由とはある種の不自由だった。一から十まですべて自分でしなくてはいけない上に、成功するとはかぎらない
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『勇者2人の最強パーティー』【第10回】有木 和人
勇者の中で呼び覚まされる「なにか」 ぶつかり合うふたつの意志は逃げること知らない
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『私たちの春』【第14回】小林 とし子
「私たちの青春時代は、部活と共にあったようなものだものね」先輩たちと過ごす最後の文化祭