第一報二〇一八年一月二十日(土)。ヴェネツィア。午後九時三十分。(日本は日曜の午前五時三十分。熟睡中だわね)深い寝息をたてている夫を思いながら、メールを送った。夫の博史(ひろし)は今月六日から一時帰国中。私は同行せず、ヴェネツィアに残っていた。こんなに長く一人暮らしをするのは、結婚生活二十六年余りにして初めてである。「そろそろあなたのお声が聞きたくなってきました。気をつけて来てね。待っています」…
小説
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『あなたと虹を作るために[人気連載ピックアップ]』【新連載】福田 恭子
「ママ、落ち着いて聞いてね。あのね、交通事故があって、それで、パパが亡くなりました」それが、娘からの第一報だった…
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『約束のアンブレラ』【第13回】由野 寿和
被害者が描いた十三年前の卒業制作の絵は、彼女が発見された状況とほぼ一致していた…
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『第二ボタンいただけますか』【第9回】福岡 富子
幼馴染と久々の再会に抱き続けた感情が確かなものだと確信する。彼女が幸せになるならどんなことでもする、できる…
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『赤い大河』【第16回】塚本 正巳
配られたカードを反す時、同居かそれとも自由か、二人の運命が決する。彼女の手がカードの淵にかかり、未来が決まる瞬間――。
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『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』【第7回】珠生 満ちる
お願いです、ごはんをください「よく吠える子ね、お隣の子は全然吠えないのに」いまわたしがほしいのは、ごはんとお水です!
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『標本室の男』【第42回】均埜 権兵衛
突然現れたあの男の、妙に生々しいマスクと手袋が気になっていた。「おい、そのガイ骨ってぇのは何のことだ、あいつのことか?」
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『大阪弁で読む『変身』[話題作ピックアップ]』【新連載】フランツ・カフカ,西田 岳峰
【大阪弁『変身』】けったいな夢から目ェ覚めたら、馬鹿でかい虫になってる自分に気ィ付いた。「おれ、どないしてん?」
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『約束のアンブレラ』【第12回】由野 寿和
新聞の一面を飾る「日本最大級の巨大観覧車建設が着工」。運営元の国内最大手のデベロッパーは被害者の婚約者の勤務先で…
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『赤い大河』【第15回】塚本 正巳
突如挑まれたバカラの勝負。「負けたら彼女の世話係、勝ったら......」男として勝負を降りることは出来ない。
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『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』【第6回】珠生 満ちる
「こんなにくさい子さわれないわよ!」「きたないペットショップにいたからなあ…」きげんの悪い声が怖くて、おもらししてしまった。
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『北満のシリウス』【第16回】鎌田 一正
「悪いか? 相手は中国人だぞ! 日本人の言うことを聞かない中国人を殴って何が悪い」...少年は右手拳を振り上げて、雪舟に殴りかかった。
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『海渡るフォルトゥーナ』【最終回】鷹嶋 ちた
千利休と焼き物の出会い。文化遺産となった焼き物は、誰の目にもつかず、宗易(千利休)が唯一気に入った品であった。
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『いつか海の見える街へ』【第18回】須賀 渚
「ここに私のお墓を買ったの」――外出許可を取った彼女に頼まれて静岡へ。目的地の公園には、海を見渡せるベンチがあって…
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『約束のアンブレラ』【第11回】由野 寿和
雄大な藤山の前に佇む赤いコートを着た少女の絵――ぽつんと寂しそうに立っているように感じた
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『カラスと少年 ―愛しき11種の動物とのふれあい物語-』【最終回】飯塚 舜介
おじいさんの家は築後200年の日本家屋。「ねえ、柱も鴨居もどこも墨で塗られて真っ黒だけど、なんで墨を塗るの?」
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『赤い大河』【第14回】塚本 正巳
「それより、どうしてこんなところで働いてるの?」素直な疑問だった。彼女にとっては大切な場所を軽んじてしまった。
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『オレンジ病棟』【最終回】朝丘 大介
病室に入ると、窓ぎわのベッドに座っていた水色のパジャマの中年男がにっこりと笑いかけてきた。和やかなムードの中…
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『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』【第5回】珠生 満ちる
「お隣の犬より小さくてかわいいわ!」おばあさん、ごはんとお水をください!わたしは今日なにも食べていません!
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『今のこのままの日本でいいのか』【第4回】一粒 野麦
たまたまオルグに出向いていた父親に見初められた母。初々しいシュピレヒコールの姿が印象的だったようで…
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『兎角儚きこの世は』【第4回】白井 忠彦
「年貢を納めるのはお前達の義務だ。できないというのは国に反旗を翻すのと同じだ」そう言うと、棒で農民達を容赦なく叩き付け…