「一緒に家を建てよう。一緒に暮らそう」私が三十歳、彼女が二十四歳のときである。結婚の良いタイミングと言えばそうである。緊張しながら、彼女の家にも挨拶に行った。早くに亡くした父親の代わりに、十歳上のお兄さんが厳しい顔で待っていた。実は彼女には、いくつか良い条件の縁談が持ち上がっていたらしい。たぶん地元の人だったのだろう。「九州の男か、そんな男はお断りだ!」お兄さんは、彼女がわざわざ九州なんて遠いと…
[連載]波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第16回】阿南 攻
「九州の男はお断りだ!」彼女のお兄さんは猛反対!しかし、○○の話になると…
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第15回】阿南 攻
「三か月ほど前、お金を拾ってくれましたよね。百円札……」と声をかけて始まった交際
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第14回】阿南 攻
産みの母ではないとしても我が子として懸命に育ててくれた、育ての母への思い
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第13回】阿南 攻
心を入れ替え無遅刻無欠勤。夜は行きつけのスナックで憧れのバーテンダーに!
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第12回】阿南 攻
遠距離恋愛を続けるか、結婚するか、別れるか?転勤がもたらした人生の岐路
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第11回】阿南 攻
「母が倒れた」という電話。私が忘れかけていた大切なものに気づかせてくれた瞬間
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第10回】阿南 攻
高度成長期に入り、幸せな時代を迎えたことを実感。情熱を神戸の繁華街に注いだ独身時代
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第9回】阿南 攻
大きな会社に入れた喜びも束の間…入社後痛感した「厳しい現実」
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第8回】阿南 攻
抗議のために自死する者まで現れて…105日にわたった労働スト
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第7回】阿南 攻
父を亡くした中学生男子「家族を支える大黒柱にならなくては…」
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第6回】阿南 攻
中学生とは思えない商売力…お金稼ぎに必要なの3つのこととは?
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第5回】阿南 攻
戦後台湾帰り、自分の居場所を見つけられず貧しかった父とのある一つの思い出
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第4回】阿南 攻
決死の覚悟で父と決別!新生活にも慣れた頃、予想外の訪問!?
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第3回】阿南 攻
日本に帰って変わってしまった父親…「出口の見えない恐怖」におびえる毎日
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【第2回】阿南 攻
豊かだった台湾の暮らしから一変…敗戦後に日本に引き揚げた家族の実録
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エッセイ『波乱万丈、どぎゃん苦にも負けんばい』【新連載】阿南 攻
戦争が拡大していく時代の中…台湾にいる日本人はどんな生活を送ったか?