第三章 帰郷、営業マン走る!―高度成長期の時代と共に
初めての営業
電話の消毒器を売る
これは一人でやっていてももったいないと、営業社員を募集することにした。しかし飛び込み営業という仕事は尻込みする人も多く、面接に来たけれどやはり無理ですと断られたりして、まったく人が集まらない。
困ったなぁと頭を抱えたが、いや、発想の転換をしよう。そうだ! 自分が他の会社に入って営業マンになり、そこで優秀な営業マンを引き抜こうと考えた。ちょうど化粧品会社が営業社員を募集していたので、採用の面接を受けるとすんなり合格し、社員になることができた。
商売はなかなか難しい
化粧品の知識が十分にあるわけではなかったが、やらねばならぬという思いが行動力を生んだ。アパートを見つけると端から順番にドアをノックした。出てきた若い女性に一つ一つの製品を一生懸命に売り込んだ。