タペストリーに見とれていると、背後から聞き覚えのある声がかかって二人は慌てて後ろを振り向いた。いつのまに来ていたのか、コジモ・エステだった。「宗像さん、フィレンツェまでようこそ。ロンドンでは大変失礼いたしました。必ずやまたお会いできると思っておりました。ややっ……これは……ロイドのお嬢さまではございませんか? どうしてまた、こちらに? それに、宗像さんとご一緒とは?」コジモは信じがたい人物を…
[連載]緋色を背景にする女の肖像
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第54回】阿佐見 昭彦
「何のことやら…」コジモは動揺を押さえながら、しらを切った
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第53回】阿佐見 昭彦
タキシードを着込んだマネジャーらしき男が近寄ってきた
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第52回】阿佐見 昭彦
説明しがたい2重感覚の原因とは
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第51回】阿佐見 昭彦
まだそこまで断定はできないがね、臭うんだよ……何かの兆しが
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第50回】阿佐見 昭彦
神業のテクニックを持つ画家。先生も手本すら示せない…
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第49回】阿佐見 昭彦
銀髪を左右に膨らませ、黒い太縁眼鏡、鋭い目つきの老紳士
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第48回】阿佐見 昭彦
一体ナゼ…?今はなき画家に興味を持つ日本人の写真家
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第47回】阿佐見 昭彦
新しい手がかりを求め、ポルト、そしてフィレンツェへ。
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第46回】阿佐見 昭彦
財団会長の娘と一緒だと?「冗談言うな!……本当か?」
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第45回】阿佐見 昭彦
まさか!これでふりだしに逆戻り…追い続けていた絵画の謎
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第44回】阿佐見 昭彦
その絵はアメリカ人バイヤーに買われ、遙かニューヨークへ
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第43回】阿佐見 昭彦
「四点まとめて」だと?…人につけ込む商売をするやつだ
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第42回】阿佐見 昭彦
亡くなったはずの画家が…どこかで生きて絵を描いている?
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第41回】阿佐見 昭彦
年号、サイン、背景の色…彼の絵にしては奇妙な点が多い
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第40回】阿佐見 昭彦
数十軒はある画廊の中から、偶然この画廊であの絵を見つけた
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第39回】阿佐見 昭彦
子供の頃のアルバムに赤ちゃん時代の写真は一枚もなかった
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第38回】阿佐見 昭彦
実は、お前は2歳のときにフェラーラ夫妻から譲り受けた子だ
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第37回】阿佐見 昭彦
社交界では、スキャンダルのネタにされる恐れがありました…
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第36回】阿佐見 昭彦
迷いに迷った末、彼女はついに驚愕の事実を語り始めた
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小説『緋色を背景にする女の肖像』【第35回】阿佐見 昭彦
「何だ、お知り合いですか?…ではお茶でも入れましょう」