【前回の記事を読む】砂のうねりの向こうに見えていた一筋の煙が、二筋、三筋と増えて、その根元に赤い炎が砂から吹き出ている。いよいよ油田に来たタイヤは14.00R20が十本装着されている。14.00は呼びタイヤ幅十四インチ(三五五ミリメートル)、20はホイールの直径二十インチ(五〇八ミリメートル)の意味だ。装着されているタイヤブランドは一目見れば加藤にはわかった。レンジクルーザーに装着されていたフラ…
[連載]カスバの女
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小説『カスバの女』【第15回】竹中 水前
窓の外を見れば満天の星。イヤホンを耳にさせば曲名は知らぬが懐かしいエレキのサウンド。そういえばあの時のバンドの仲間は…?
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小説『カスバの女』【第14回】竹中 水前
砂のうねりの向こうに見えていた一筋の煙が、二筋、三筋と増えて、その根元に赤い炎が砂から吹き出ている。いよいよ油田に来た
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小説『カスバの女』【第13回】竹中 水前
初めてのパリ。“CHAMPS-ELYSEES”を“シャンゼリゼ”とは読めなかった。――そんな時に道路の端で女性が
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小説『カスバの女』【第12回】竹中 水前
加藤清武、熊本県出身の二十九歳のエンジニアで一九七六年五月から家族と共にエジプトのカイロに駐在している
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小説『カスバの女』【第11回】竹中 水前
カフェのテラス席に陣取っている男たちは、通りを女性が通ると、食い入るように見つめながらその姿を追う。異様な光景だ
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小説『カスバの女』【第10回】竹中 水前
ブーメ大統領はフランスからの物資の輸入を禁止しようとしている。そこでフランソワタイヤに代わってニホンタイヤが…
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小説『カスバの女』【第9回】竹中 水前
「あそこのテーブルは日本大使館関係、こっちのテーブルはA商社だ。だからここでは仕事の話はあまり出来ない」
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小説『カスバの女』【第8回】竹中 水前
遠くからは美しく輝いて見えた街だが、中に入ると、通る人々や街に漂う匂いも含めてフランスとは違う空気が漂っている
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小説『カスバの女』【第7回】竹中 水前
「アルジェリアがいいと思うでやんす」――彼の提案を聞き入れて決めた赴任先。日本の商社マンがアルジェリアの地へと降り立つ。
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小説『カスバの女』【第6回】竹中 水前
日本人経営のクラブで働くホステスに密かに思いを寄せていた。ある日、その店を訪れると彼女の姿はどこにもなく…
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小説『カスバの女』【第5回】竹中 水前
日本食のあとは、やはりひかえめな日本人の女だ。酔いと共に男は夜のパリへと繰り出していく
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小説『カスバの女』【第4回】竹中 水前
薄紫のドレスを試着しようと試着室に入ると突然正面の姿見が開き赤鬼のような顔をした男が…
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小説『カスバの女』【第3回】竹中 水前
「今後、主人と一切会わないでください。きっぱり別れてください」—彼には妻子がいる。ある日、ドアを開けるとそこには…
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小説『カスバの女』【第2回】竹中 水前
不倫していることを母に打ち明けた。「そんな交際は絶対にやめなさい。お母さんと同じ道をたどるよ」と止められたが…
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小説『カスバの女』【新連載】竹中 水前
アルジェリア国王アンリー二世がおめかけさんに与えたシュノンソー城。これにおきさきは怒りの日々を送っていたところ…