【前回の記事を読む】日本食のあとは、やはりひかえめな日本人の女だ。酔いと共に男は夜のパリへと繰り出していく井原はいつもカウンター席に座るので幸とはめったに話はしない。幸もわざわざ話に来ることはない。話をするのはもっぱら時々声をかけてくるクリスチーヌとであった。彼女が井原に特別の感情を抱いていることは言葉の端々にくみ取れた。彼女はフランス人であるし、日本語も出来るので、井原にはフランス語の勉強には…
[連載]カスバの女
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小説『カスバの女』【第6回】竹中 水前
日本人経営のクラブで働くホステスに密かに思いを寄せていた。ある日、その店を訪れると彼女の姿はどこにもなく…
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小説『カスバの女』【第5回】竹中 水前
日本食のあとは、やはりひかえめな日本人の女だ。酔いと共に男は夜のパリへと繰り出していく
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小説『カスバの女』【第4回】竹中 水前
薄紫のドレスを試着しようと試着室に入ると突然正面の姿見が開き赤鬼のような顔をした男が…
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小説『カスバの女』【第3回】竹中 水前
「今後、主人と一切会わないでください。きっぱり別れてください」—彼には妻子がいる。ある日、ドアを開けるとそこには…
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小説『カスバの女』【第2回】竹中 水前
不倫していることを母に打ち明けた。「そんな交際は絶対にやめなさい。お母さんと同じ道をたどるよ」と止められたが…
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小説『カスバの女』【新連載】竹中 水前
アルジェリア国王アンリー二世がおめかけさんに与えたシュノンソー城。これにおきさきは怒りの日々を送っていたところ…