二〇一五年十一月三十日(月)日に日に体力と気力を失いつつある母を見るこの頃、私の吃語(きつご)がまたひどくなった。普段は何ともないのだが、強いストレスを感じている一時期はいつもそうなる。母は「お前のその吃り、お母さんが治してあげるね……」と言った。意味が分からず聞き返せば、ニコニコと笑みをうかべ、「お母さんが持っていってあげるから……」と、言ったきり私の問いをはぐらかした。少しして、あれは、自分…
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