俳句・短歌 句集 母娘 2020.09.09 句集「地雷の如く」より三句 地雷の如く 【第12回】 馬場 美那子 母ひとり、娘ひとり、恋たくさん。 「おひとりさま」とその母の13年を綴るドラマティック川柳句集。 自由奔放にたくさんの恋をしてきた「おひとりさま」な娘。たったひとりの肉親である母は、夫に先立たれて長かった。 ほかに身寄りのない二人なのに、喧嘩して、諦めて、また喧嘩して。恋はすれども、母は捨てられぬ。母への情愛と異性への恋心との狭間で揺れる心情が、おかしみと哀しみを込めながら五七五の17音字に込められた「絆」の物語。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 悲しみが地雷の如くそこにある 私もいずれいく道 老・病・死 子の為に親はガンバルひーはーふー
小説 『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[人気連載ピックアップ]』 【第10回】 川井 れもん 娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて... 次の日から雄二と2人で、市役所に提出する書類の整理や墓に納骨をするなど、予想以上にやらなければいけない事が多かった。そのためここ数日、私は身体に激しい痛みを感じて我慢できなくなっては休憩して、回復してから行動しての繰り返しだった。それでも、なんとかやらなければならない事をすべて終了させて、やっと直美の遺産相続の手続きをする事になった。この手続きは最初から姉に依頼しており、直美名義の口座がある銀行…
小説 『猫と狸と、ときどき故郷』 【第7回】 宮本 正浩 猫の社会にも人間と同じように介護施設のあることをご存じですか。猫は死を恐れません。 テレビは点けたままです。いつもテレビを消すと目を覚ますのでテレビはそのままにしておきました。お爺さんは、仕方がないので、一人でお茶をいれ、ゆっくりよく味わうように飲みました。そして、今日あったことを一つ一つ思い浮かべ、自分が年を取ったことを痛感しました。朝から夜までの時間を何事もなく過ごすのは何と大変なことか。これから先、死ぬまでこの生活を続けることができるのか。気分が沈んでいきました。さらに今…