二年生に進級した二人は対照的だった。禅は、二年生になると成長に連れ、その才能をさらに開花させた。もはや新三年生の中に、禅に敵う者はいなかった。そして二年生ながら、バスケット部のエースになった。身長も一八〇センチを超え、女子生徒の注目の的だった。一方の賢一は勉強に励んだ。その努力は報われ、学年では、ずば抜けて一番だった。人は、それぞれに得意分野がある。それは向き不向きとでも言うべきか? 賢一はスポ…
新着記事一覧
-
小説『アリになれないキリギリス』【第6回】上條 影虎
下駄箱にはラブレター…彼はモテていても人に自慢しない
-
小説『空虚成分』【第5回】媛 ひめる
父母が離婚…過去の写真は母親がすべて処分してしまった
-
小説『百年後の武蔵野』【第6回】栗田 哲也
つい最近まで、電話一本掛ければ話のできた娘は、もういない。
-
ビジネス『確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす』【第36回】松久 久也
なぜアイデアが生まれないのか?発想が貧困になる理由
-
ビジネス『補助金の倫理と論理』【第10回】庄司 進
90年代の不良債権処理…銀行に公的資金が投入された背景とは
-
小説『花を、慕う』【第68回】堀田 冀陸
だが、その花は、手のとどかない、日月の彼方へ
-
歴史・地理『受け継がれし日韓史の真実 ─朝鮮引揚者の記録と記憶』【新連載】豊田 健一
周囲に勧められるがまま…見合い話からわずかひと月で結婚
-
ビジネス『補助金の倫理と論理』【第9回】庄司 進
社会的・経済的・地域的不均等は、競争が進むほどひどくなる
-
小説『緋色を背景にする女の肖像』【第35回】阿佐見 昭彦
「何だ、お知り合いですか?…ではお茶でも入れましょう」
-
小説『山田錦の身代金』【第24回】山本 モロミ
「誰がタコ人間じゃっ。こらッ!」低い声で毒づく大男
-
評論『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』【第14回】野坂 きみ子
一般企業が就労支援事業所の利用者を採用したがる理由とは?
-
エッセイ『音楽のジャポニズム!~考証・三浦環』【第6回】田辺 久之
「一を聞けば十を知る」女学校の月謝を免除されていた三浦環
-
健康・暮らし・子育て『デキる社会人になる子育て術 元ソニー開発マネージャが教える社会へ踏み出す力の伸ばし方』【第12回】鬼木 一直
木に登る・泥んこになる権利が法律で保証されているドイツ
-
小説『ずずず』【第4回】草間 かずえ
浩司はかるた部に…アッキーはその部活の存在すら知らなかった
-
エッセイ『ソートの人生 喜びも怒りも、悲しみさえも、笑え』【第2回】伊藤 信也
引き出しの奥からオブラートに包まれた白い粉薬を発見した
-
俳句・短歌『歌集 秋津島逍遥』【第46回】松下 正樹
歌集「秋津島逍遥」より三首
-
俳句・短歌『歌集 星あかり』【第29回】上條 草雨
歌集「星あかり」より三首
-
小説『薔薇のノクターン』【第17回】高見 純代
ガンは痛くないですよ。痛くてわかったら誰も苦労しないです。
-
エッセイ『霧中の岐路でチャンスをつかめ』【第25回】仲宗根 稔
初めてのデートなのに2人前を食べる彼女…ケーキまで注文した
-
エッセイ『多様性に溢れる悠久の国 何でもありのインド』【第6回】上村 英生
トイレットペーパーを使わず左手で洗浄し、手を石鹸で洗わない