渉太郎は、働きざかりの四十代中盤に差しかかろうとしていた。妻が私立の小中学校に通う子どものために弁当を作っている早朝に家を出て、会社では秘書室の誰よりも早くに出社した。夜も遅くまで仕事に埋没した。常にピリピリした張り詰めた空気が支配する毎日であった。四六時中緊張の糸が解(ほぐ)れることはなかった。ただ、疲労感はなく、「使命感と意欲に燃えながら仕事に取り組めた」ことが嬉しかった。何よりのやりがいで…
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俳句・短歌『シニア世代のための「万葉集百人一首」』【第7回】松原 龍一郎
シニア世代へ万葉集から6首を解説「恋ひ死なむ 後(のち)は何せむ 生ける日の ためこそ妹(いも)を 見まく欲(ほ)りすれ」
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エッセイ『わたがしに触れたように』【第6回】小林 世以子
大好きなまま離れてしまった人 私のわがままで離れてしまった人 心を置き忘れてきてしまったよ もう取りには行けない場所に
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旅館の焼け跡前でチャリティーコンサートを開催。ジャズとサンバなど多様な音楽に延べ約500人以上から投げ銭が!
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小説『三代の過客』【第6回】大村 泰
「おまえ一人の力でいったい何ができる? でかいヤマを当てようと思ったら、ちっとは人間関係を大事にしろ。」