「でも、お父さんの心配はしてらっしゃるんですね。……それで、次男さんのお名前を訊(き)いてもいいですか?」
「はい。池田はやとといいます」
「はやとさんがお母さまと一緒にいて、ストレスになっていることはほかにもありますか」
「僕は月に一度通院することになっているんですけれども、母がいるので病院に行かれないんです」
「そうなんですね。お父さんの病状もすこしずつ悪くなっていく中で、はやとさんにやっていただくことが出てくるかもしれないですね」
「料理を作ったりはしていたんですけれど……。買い物に行くときも母を連れていって、一緒に買い物したりだとか。
それでいま、新しい仔犬を飼ったんですけれど、僕が朝晩犬の散歩をするときに一緒についてくる以外は部屋から出ないです」
「そうなんですね。今度お父さまにいろいろお医者さんが来たりとか、看護師さんが来たり、ヘルパーさんも介入になったりするので、けっこう人がお家の中に入るため、はやとさんもストレスを感じることがあると思うんですけれど、お母さまの状況やお父さまの体調の様子をはやとさんから専門職の方に伝える役割を持っていただきたいと思っているんです」
「わかりました。僕よりも姉のほうが状況を把握しているので、姉のほうをまず優先してください」
「わかりました。お姉さんと連絡がつかないときは、はやとさんに連絡させていただきます」
「どうぞよろしくお願いします」
「お兄さんはお近くに住んでいると伺っているのですが、お兄さんはお家に顔を出してくれたりするんですか」
「大倉山駅から二駅のところに住んでいますが、兄は仕事が忙しくて月に一回ぐらいです」
「それではお家の中では、はやとさんが頼りになりそうですね」