【前回の記事を読む】夜の神社に女性2人…目的地へ向かっていると、突然現れた十数人の男たちに取り囲まれてしまい…

サイコ6――怪物の誕生

「この国の王など、私にとっては学校の生徒会長と同じくらいつまらないもの。まずは地上の全てを焼き払い、それから私好みの世界を創りましょう。まさに新創世記です」

青竜の黄金の瞳が炯々と輝き、口元に身の毛もよだつ笑みが広がった。鷹山は脚をがくがくと震わせ、数歩後ずさりした。

「そんな、そんな恐ろしいことはさせん。絶対に」

「ほう、どうやって?」

青竜が鷹山に向かって歩を進めた時、安重が間に割って入った。

彼女はたちまち巨大な金剛力士に変身し、青竜に襲いかかった。

しかし、青竜が瞬きをしただけで力士は頭の天辺から股にかけて真っ二つに引き裂かれて消し飛んだ。あとには力士と同様、真っ二つに縦に引き裂かれた安重の体が血しぶきを上げながら左右別々に床に倒れた。

「ひ、ひいっ!」

悲鳴を上げて慌ててエレベーターで地上に戻ろうとする老人を青竜は憐れむような眼で見つめた。

次々と襲いかかる男たちを既に十数人、賽子は殴り、蹴り、投げ飛ばして倒していた。彼らは気を失ってあちこちに転がっている。麻利衣は悲鳴を上げながら賽子の周囲をドタバタと逃げ回っていた。最後の一人を滅多打ちにして倒すと賽子はようやく一息ついた。

「大丈夫か?」

「私は大丈夫です」

「では、いざ本丸に突入だ」

「本当に行くんですか? もう明日にした方が……」

「馬鹿を言うな」

その時、二人の黒服の男たちを連れて山口が社務所の玄関から出てきた。

「久しぶりだな、河原賽子」

「相変わらず顔と態度だけはでかいようだな」

「その減らず口もそこまでだ」

山口は胸ポケットから大きな回転式拳銃を取り出し、銃口を賽子に向けた。

「銃!」

麻利衣が叫んだが、賽子は平然としていた。

「そんな物に頼らないといけないとは実に情けない超能力者(サイキック)だ。まあ、やむを得ないか。おまえの病殺能力の有効範囲はせいぜい2メートル程だからな」

「賽子、私は常々おまえの能力には疑問を感じていた。

訓練所にいた時から完全能力者とうそぶいていたが、私にはおまえが超能力(フォルス)を持っているようには一度も見えなかった。おまえはいつも西須悠雅に助けられ、ただ運がいいだけの女だった。

完全能力者ならば、そいつらだってもっと簡単に倒せたはずだ。今、おまえが本当に完全能力者かどうか、この銃で試してやる」