【前回の記事を読む】オスプレイから飛び出した30人の武装兵が、警官隊に一斉射撃を始めた…SATが応戦するも、直後にミサイルが放たれ、辺りは火の海に……

サイコ7――コンビナートの決闘

「おんぼろ工場で建付けが悪くなっているようで助かったな」

賽子がそううそぶくと、西須はにやりと笑った。

「さすがだね。そうでなくっちゃ。じゃあ、この間の続きを心置きなくさせてもらおうか」

そう言うと、西須は賽子に数歩近づき、右の掌を突き出した。

賽子も姿勢を低くし、右の人差し指を彼に向け、左手で右手首をしっかり支えた。

「プラズマ・フロー!」

「ネオ・サイコガン!」

二人は以前、橋の上で対決したのと同じように顔面を歪め、全身の力を振り絞って向かい合っていたが、上空から眺める麻利衣の眼にはやはり大の大人がヒーローごっこで遊んでいるようにしか見えなかった。

しかし、二人の眼には眩い光を放ちながら工場を吹き飛ばすほどの激しい力が両者の間で衝突するのが見えていたのであろう。

麻利衣はいつの間にか拳を固く握り締めて、賽子を応援している自分に気がついた。

「賽子さん……負けないで!」

しかし、二人の決着はなかなかつかなかった。その隙に鍬下が塔の梯子を上ってきて、麻利衣を見張っていた兵士を射殺した。

「大丈夫か?」

「鍬下さん! ありがとうございます」

鍬下が麻利衣の拘束を解き、二人は地上へと下りて、賽子の元に駆け寄った。彼女はまだ西須と『苦闘』を続けていた。

「賽子さん、もう大丈夫です。早く逃げましょう」

「あともう少しだっ。うおおおおおおおっ!」

賽子が最後の力を振り絞り、雄叫びを上げると、遂に西須は力尽き、地面に両手、両膝をついた。

賽子は息を切らして肩を大きく上下させながらようやく腕を下ろした。

「勝負あったな。まさかここまで腕を上げているとは思わなかったぞ。やるじゃないか、悠雅」

「まだ終わっていない!」

西須は目を血走らせて脚を震わせながらようやく立ち上がった。

「往生際の悪い奴だ」

賽子がそう言った時、上空から拡声器で誰かが話しかけてきた。

「まさしくそのとおりだ」