「……」「ねえ、良知先生。妹さんは妹さんなりに、お母様のことと真剣に向き合っていたんじゃないかしら。自分で納得できる答えが欲しかったんでしょう、きっと。その答えが得られたかどうかはわからないけれど、戻ってきたお母様を、覚悟を持って受け入れたのはたしかだわ」。俺がベッドから立ち上がると、先生は話すのを止めた。きっと俺が気分を害したと思ったのだろう。カーテンの隙間から表通りへと続く薄暗い私道を見る。…
殺人事件の記事一覧
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小説『春のピエタ』【最終回】村田 歩
もしあの人影が探偵だとして、間男する女房…俺も先生も慰謝料を請求されるか? それがどうした? そんなもの、踏み倒せばいい。
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小説『春のピエタ』【第22回】村田 歩
先生は、妹が卒業した中学の元教師だ。俺たちの家の事情を知っていたらしい。おまけに、妹さんのこと知ってる! と…
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小説『春のピエタ』【第21回】村田 歩
子供を捨てて家を出た…先生はひたすら己を責める。でも、一番責められるべきは、狡猾に暴力を振るうあのDV夫と…
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小説『春のピエタ』【第20回】村田 歩
首筋の皺も、腹の手術痕も…四十女を愛しいと感じる自分が信じられない。―だけど、先生の家には毎週末、DV夫が…
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小説『春のピエタ』【第19回】村田 歩
「あなたの母親に赤ん坊を殺された奥さん、今だに引きこもりがちだって知ってた?被害者遺族の会で一緒なの。」
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小説『春のピエタ』【第18回】村田 歩
私の妹は、5年前に殺された。高校二年生だった。自宅のすぐ傍で車の中に引きずり込まれて、河川敷まで連れて行かれ…
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小説『春のピエタ』【第17回】村田 歩
家出した兄の居場所を突き止めるため、銀座のクラブに押しかけた。「面接の子?」と誘われるまま店の中に入ると…
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小説『春のピエタ』【第16回】村田 歩
お母さんがある日突然いなくなってから、同じ夢にうなされた。―幼い私は、お母さん、お父さん、お兄ちゃん、と叫び続け…
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小説『春のピエタ』【第15回】村田 歩
母が刑期を終え、実家に戻った。その実家に、生後二ヵ月の我が子を連れて行った時の、夫の顔が忘れられない。感情を押し殺し…
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小説『春のピエタ』【第14回】村田 歩
殺人犯はその瞬間、「殺れ」と声がしたという。母があんな事件を起こしてしまったのも、同じように、抗えない邪悪な力に背中を…
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小説『春のピエタ』【第13回】村田 歩
「彼を返して」―彼は、彼女の不幸に惹かれたんだと思う。父親が自己破産し、一家離散。夜の仕事を始めた彼女を訪ねて…
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小説『春のピエタ』【第12回】村田 歩
最高学府を中退した銀座のクラブのホステス―!? 家出した兄の居場所が分かったと思いきや、え?源氏名?
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小説『春のピエタ』【第11回】村田 歩
兄が家出して5か月。兄の居場所を探るため、秘かに憧れていた兄の彼女に電話をかけてみると、「彼はお元気ですか」と…
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小説『春のピエタ』【第10回】村田 歩
母の事件後、兄は私と違っていじめには遭わなかったようだ。全国指折りの進学校で、育ちのいい優等生に囲まれて…
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小説『春のピエタ』【第9回】村田 歩
「償う気があるなら、普通払うだろう。そんなんでよく仮釈放が決まったな。」泣きもしないお袋の顔は、自省などとは無縁の顔だ。
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小説『春のピエタ』【第8回】村田 歩
お袋との面会。「なにもしてあげられなかった」と肩を震わせて泣くお袋を、口元だけで微笑んで見つめている妹は…
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小説『春のピエタ』【第7回】村田 歩
刑務所で、お袋と13年ぶりに対面…こんなに小さな女だったか―。あの頃、生活が苦しく、いつも歯を食いしばっていたお袋は…
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小説『春のピエタ』【第6回】村田 歩
犯行前ノイローゼ状態で何度も親父にSOSを出していたお袋。それを一度も正面から受け止めようとしなかった親父
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小説『アイアムハウス』【最終回】由野 寿和
所定の審査がある高級住宅街「十燈荘」。専用のセミナーもあるなか例外ケースだった被害者一家
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小説『アイアムハウス』【第23回】由野 寿和
「十燈荘秋吉一家三人殺人事件」の自宅のリノベーションを担当した男性に死神刑事が話を聞きに行き…