そのような事情もあるため、「圧倒的多数の企業がCSCOを任命している」とまでは言えないのだが、それでもCSCOの設置率がかなりの水準に達していることは理解いただけるであろう。

以上の結果はいずれも、グローバルに活躍する大企業を対象としたものであり、企業全般の傾向を表しているとは言えない。読者の中には、「グローバルな大企業は問題意識が高く、CSCOの設置が進んでいるだけではないか?」との疑問を抱く方もいるかもしれない。

もちろんそのような傾向が無いわけではないが、米国等では企業規模にかかわらず、役員層が物流・SCMを担う傾向があることも事実である。

残念ながら、このことを統計データで明確に示すことはできないのだが、傍証として、米国におけるSCM専門家の職位を調べたデータを紹介しておきたい。

図表7 消費財メーカーのグローバルトップ30 社のうち43%がCSCO を任命

 


注1) AMB PROCURES LLC.の記事による『The rise of the chief supply chain officer』 https://www.procuresllc.com/post/the-rise-of-the-chief-supply-chain-officer

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