第2章 物流・SCM軽視の実態
2-3 物流・SCM担当役員(CSCO)の不在
CSCO、CLOとは何か
CSCO、またはCLOという言葉をご存じだろうか。CSCOはChief Supply Chain Officerの略。CLOはChief Logistics Officerの略である。
この場合の「Officer」は執行役員を指すことから、それぞれ、「サプライチェーン担当の執行役員」、「ロジスティクス担当の執行役員」を意味する。
執行役員は言うまでもなく枢要(すうよう)な経営幹部であり、会社の業務を執行する最高ポジションである。米国等ではChiefの頭文字を取って「Cレベル・エグゼクティブ」などと呼ばれる。日本語で言えば「重役」のようなイメージだろうか。
Cレベルは、そのポジションの設置自体が経営方針を反映することが多い。例えば技術開発を重視する会社が、その戦略実行を担保するためにCTO(最高技術責任者)を任命するといった具合である。
CSCOやCLOも同様であり、CSCO等のポジションを設置し、任命することは、企業が物流・サプライチェーンを重視する姿勢の表れであると見られる。