権力の中枢に立ちこれからが力を発揮できると思っていた矢先だった。李徳裕の後ろ盾となっていた穆宗もまた長生薬金丹の飲み過ぎにより、在位期間僅か四年で崩御してしまったのだ。穆宗の死は李党の後退を意味し、牛党の台頭を助長するだけのものでしかなかった。輿の上から夕靄に煙る小雁塔(高さ二百七十尺余りの仏塔)を眺め、唇を噛む李徳裕の姿があった。「この景色も暫くは見られないが、必ず戻って来る」胸の内で誓い、唇…
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第16回】山亀 春久
声を掛けられ庭に目をやると石から仄白い光が発せられ老婆が石に!?
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第15回】山亀 春久
見違えるほどの輝きを放つ姑。李徳裕は目が離せず人払いをして…
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第14回】山亀 春久
勝利目前の夜。連れてこられたのは見目麗しき成徳節度使の姑で…
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第13回】山亀 春久
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第12回】山亀 春久
「このままでは何時、殺されるか分からない」と皇帝に仕える宦官が起こした行動とは?
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第11回】山亀 春久
不老不死の夢を追う、唐皇帝たちの神仙思想と金丹の秘密
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第10回】山亀 春久
要職を追われた男たち。美しい舞を見ながらも、話題は重苦しいものばかりだ。
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第9回】山亀 春久
気が付くと店が消えており…「物の怪に惑わされていたようだ」
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第8回】山亀 春久
「其方の未来が見えるであろう」丸く透き通った水晶の中に、群れる羊の走る姿が映し出されて
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第7回】山亀 春久
「明晰さには感服いたします」若君が瓶を見分けられたワケ
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第6回】山亀 春久
【小説】「その値では到底お売りできません」商人と若君、かけひきの行方は…
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第5回】山亀 春久
「えっ、飲まれるのですか」西域からの一級品葡萄酒を味見
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第4回】山亀 春久
「身分を隠し市に来たのに、この胡商、どうして儂を知っている?」
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第3回】山亀 春久
「昨夜の夢は、何かを予見するように思える」驚きの内容は…
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【第2回】山亀 春久
「若君、大丈夫でしょうか?」うなされる声とともに聞いた寝言とは
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小説『羊を食べ尽くした男 中国仏教衰微の日』【新連載】山亀 春久
一万頭の羊を連れる牧夫…一人の青年に言い放った「訳の分からぬ」こと