座席に着いてからの美子は、彼の存在など、まるで忘れたかのように車窓の外の風景に気をとられていた。それは美子が電車に乗った時の癖のようなもので、規則正しいリズムを刻みながら走る電車の音を聴きながら、車窓の向こうに変わりゆく景色の中に歌の材料となる物が何か見つからないかと、目を凝らしていたからであった。しかし、美子は、その場で目に止めた物でも決して、手帳などにメモはしない。家に帰り、机に向かった時、…
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