俳句・短歌 歌集 自然 2022.09.17 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第1回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 巡る季節と千変万化の景色を愉しみ、 森羅万象との調和を詠じる。 後世へ遺したい、美しく清らかな山川草木との出合い。 ※本記事は、2022年7月刊行の書籍『歌集 緑葉の里』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。 暖かな春の日差しを浴びながら文鳥ぶんちょう止とまり学舎がくしゃに入はいる ドッシリと動く事こと無なく立っている悲しむ人の松まつに成りたい 緑みどり抱だく春の息吹の切なさに愛かなしみ湧わいて恋しく慕う
小説 『家族の闘病記ピックアップ』 【第3回】 成田 たろう 3月上旬、がんの手術のため妻が入院。腫瘍が3カ月で約3倍の大きさに。全部取り切り、何も問題はないと思っていた、その時は。 【前回の記事を読む】「飲むのも、仕事のうち」その生活が一変!妻ががんになり、ほんの少しの時間でも今は妻と一緒にいたい…千恵のがんの手術で十日ほど入院することから、ご飯の炊き方と洗濯機の使い方だけは教えてもらった。「お米の研ぎ方は、一回目の水のすすぎは浸すだけ。その後、手のひらで揉むようにして、四回ほど洗って、はい、やってみて」私は一回目からしっかりお米を研いでいたので、よく叱られた。私は強情な性…
小説 『大王の密使』 【最終回】 都丸 幸泰 「火を噴いたと言い伝えのある山がある。地の果てだ」——禁じられた北への旅路。しかし、彼らはそれでも進む 【前回の記事を読む】「われらは、蝦夷の村に行く」──禁じられた北の果てを目指す旅路。大王の民が探し求める“火の山”とは法広の言葉で、老人はじっとその顔を見る。黙っている。法広も老人の顔を見つめたままだ。老剣も二人を見ている。烏丸は、落ち着きがない。「昔、火を噴いたと言い伝えのある山がある。それこそ、おまえの言う通り、地の果てだ」老人は重い口を開いた。「そういう言い伝えがある。昔のことだ」「それは…