俳句・短歌 歌集 自然 2022.09.17 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第1回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 巡る季節と千変万化の景色を愉しみ、 森羅万象との調和を詠じる。 後世へ遺したい、美しく清らかな山川草木との出合い。 ※本記事は、2022年7月刊行の書籍『歌集 緑葉の里』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。 暖かな春の日差しを浴びながら文鳥ぶんちょう止とまり学舎がくしゃに入はいる ドッシリと動く事こと無なく立っている悲しむ人の松まつに成りたい 緑みどり抱だく春の息吹の切なさに愛かなしみ湧わいて恋しく慕う
小説 『約束のアンブレラ』 【第3回】 由野 寿和 なぜこの場所にいたのか…ずぶ濡れだった少女の靴についた泥の一部は乾きかけていた 「遺体は三十代半ばの女性。薬指には婚約指輪だ。三ヶ月前の九月三十日に失踪した久原真波(くはらまなみ)に酷似している」「にしても失踪届が親族から出されたのは三ヶ月も前です。遺体の腐敗は進んでいるのではありませんか?」「理由は三つある。あの傾斜は地面から二メートル近い場所にあった。地中深くに埋めることで微生物などの影響を軽減し腐敗が遅れた。そして低温環境だ。冬という季節に加えて、この藤山は高山地帯と…
小説 『感染症を題材とした小説の世界』 【第7回】 松下 美高 H5N1型強毒性インフルエンザが日本を襲う――医療崩壊の悪夢を描く警告小説 北海道H市の保健所長・酒井俊一は、「鳥インフルエンザ直近情報」という個人サイトに、海外の報道を翻訳し、掲載してインフルエンザ対策の啓蒙を行っている。大阪市S区の保健所長・伊藤由起子は、医学部の同窓生の新型ウイルス対策に立ち向かっている姿を見て、伊藤自身も強く触発されていった。東京都品川区の保健所長・向田ヒロミは、新型インフルエンザウイルス対策は行政を巻き込む必要があることを強調し、品川区でタミフ…