俳句・短歌 歌集 自然 2023.11.07 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【最終回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 朝方あさかたの雨粒あまつぶを見る柴の葉に 穀物こくもつ育つ今日より穀雨 春空はるそらに緑葉繁茂映え亘り 甲高かんだかく鳴く不如帰聞く 晴天の陽光注ぎ若葦わかあしの 緑の茎が水面みなもより伸び 【第1回から読む】歌集「緑葉の里」より三首
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『縁 或る武家のものがたり』 【第10回】 伊藤 真康 燃え落ちる大坂城を背に、阿古姫と幼子たちは仙台へ。彼女を訪ねてきた意外な人物とは――? 【前回の記事を読む】「我が殿に一度刃を向けようとも、いずれ必ずや皆残らず味方とする」老将はそう言って落ち延びた敵方の妻子を迎え入れた案内された天下茶屋(てんがちゃや)の片倉本陣では、信氏の言うとおり、握り飯や温かい汁が用意されていた。「さあさあ、さぞ空腹でありましょう。たんと召し上がられよ」「わあー! 握り飯じゃ!」長きにわたる大坂城中での籠城、そして脱出行により、極限まで腹を空かせていた阿古の…