俳句・短歌 歌集 自然 2023.11.07 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【最終回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 朝方あさかたの雨粒あまつぶを見る柴の葉に 穀物こくもつ育つ今日より穀雨 春空はるそらに緑葉繁茂映え亘り 甲高かんだかく鳴く不如帰聞く 晴天の陽光注ぎ若葦わかあしの 緑の茎が水面みなもより伸び 【第1回から読む】歌集「緑葉の里」より三首
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【第12回】 花田 由美子 認知症の母を助けようと下敷きに…お腹の子の上に膝をつき、全体重をかけられた。激痛、足の間からは液体が流れ、赤ちゃんは… 【前回の記事を読む】プロポーズされたのに、言えない…両親に家がないこと。借金まみれで、寮に住み込み、極狭スペースで寝起きしていること。「孝子」父親の声で目が覚める。「かあさんが、いない」孝子は腰かけた姿勢で目を閉じていた。玄関に取り付けた三重の鍵が外れている。一番上の鍵を外すために、お母さんは椅子を移動させたらしい。気がつかないほど熟睡してたなんて。「孝子、いつも悪いね」かすれた弱々しい声が心か…
小説 『愛[注目連載ピックアップ]』 【第25回】 高見 純代 彼の言った一言で、私は悲しくなった。さっきまでお互いニコニコと見つめあいながら食事をしていたのに… 【前回の記事を読む】裸になるのは今日で4回目。彼の家に行くと、私はヌードモデルになる。「絵はいつできるの?」「まだまだだよ」「僕が十月のあと、今日まで会わなかった理由を聞かないんだね」「しょうがないもの…」と私はすねたような顔で言った。「君のそういうところが好きだよ」「今日、プレゼントを持って来たの」と私はきりだした。「なんだい? サプライズだね!」「これ、あけてみて」と私は緑色の包みを渡した。…