俳句・短歌 歌集 自然 2023.09.04 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第18回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 八重桜(やえざくら)美(び)を誇り咲く激しさと 其の情熱に背筋(せすじ)が伸びる 緑の枝(え)微風(そよかぜ)に揺れ輝く陽(ひ) 夢の楽園(らくえん)現れた様 庭の木々緑葉(りょくは)重なり膨らんで 一枚ずつで総体を成す
小説 『お嬢様の崩壊』 【新連載】 いけだ えいこ 銀行員の夫は給料五十万円のうち生活費を八万円しか渡してくれずついに… しずかは、自分がお嬢様だと思ったことはなかった。でも、最近になってやっぱり自分は周りと少し違うのかもしれないと感じていた。子どものころ住んでいた都内の家には部屋が十四ぐらいあったし、門から玄関までのスロープには車が三台くらい停まっていて、玄関ホールには大きな銅像が立っていた。習っていたピアノは日比谷でクリニックを開業している祖父の書斎に置いてあり、そこには仏像が立っていて、ピアノの練習をするとき…
小説 『鶸色のすみか』 【第14回】 野原 ルイ 今、思い返してみると、月子姉ちゃんはおかあさんに一番かわいがられていたよね 妹が自嘲気味に笑う。「くしゃみで済めばいいじゃない。こうして姉妹仲良く本音を言い合えるほど仲がいいんだから母も喜んでるって。あんたは末っ子だから被害少なかったよね」「お姉ちゃんたちを見て学習したのよ。親が進めるレールに乗っとけば大丈夫かなってね。タンジュンにね」「そりゃあ、悪かったね。私らの素行が悪かったから」「でも、お母さんの反対を押し切って結婚した大きい姉ちゃんが一番幸せになってる」姉夫婦が…