俳句・短歌 歌集 自然 2022.10.04 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第2回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 藍あい色いろのパンジーの花地を這はって大いなる愛あい映し咲いてる 庭てい園えんに桜の開花美びを極め運命を変え咲いている花はな 美しく囀りながら不如帰ほととぎす歓喜の朝を窓辺まどべに告げて
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『白い陥落~看護学生あずみの事件簿 2~』 【第5回】 叶浦 みのり 仕事場へ向かうと、「あれ……? 真琴?」 病院の待合室には、約束をすっぽかした友人の姿が... 制服を返し終わり、事務所を出て、あずみは昨日までの仕事場だった一般外来病棟へ向かった。眼科はそれぞれの診療科の中でも一階のフロアの一番奥まった位置にある。診療科の位置は、中央処置室、外科、整形外科、内科、耳鼻咽喉科と続く。そして眼科だ。二階にも診療科はあり、産科婦人科や小児科、泌尿器科などがあった。眼科に向かう途中にほかの診療科の前を通りかかることはこれまでに何度もあった。あずみがそこで知り合い…