俳句・短歌 歌集 自然 2022.11.04 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第4回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 不如帰耳みみを響かせ鳴いている新しい朝止やまずを知らず 不幸ふしあわせ其れだけじゃ無い幸福こうふくも必ず有ると桜咲いてる 満開後まんかいご散り行く花の散るは咲く人の別れは逢あえる始まり
小説 『春のピエタ』 【第7回】 村田 歩 刑務所で、お袋と13年ぶりに対面…こんなに小さな女だったか―。あの頃、生活が苦しく、いつも歯を食いしばっていたお袋は… 俺たちは婆さんより早く呼ばれた。刑務官に案内されているとき、初めて親父が落ち着かない様子を見せた。首から下は先を行く刑務官に素直に従っているのに、首から上はまるで道を見失ったかのようにあたりをきょろきょろ見回している。勝手が違う、といった顔だ。俺は急に不安になった。悪い想像が浮かぶ。たとえばお袋は急病で、敷地内の医務室のベッドで身動きできなくなっているのではないか。だからいつもの面会室で会うこと…
小説 『人生の切り売り』 【第10回】 亀山 真一 初めての恋人をネタにした話を書いたら映画化!さらに続編を企画してもらえないかと嬉しいオファー 「初恋も未経験の十六歳が何をそんなに焦ってたのか。確かに女子高生が女子高生でいられるのは三年間だけだけど、そう思えるのもだいたい大人になってからでしょう」ベッドの上でうんうん唸る私を、冷たい視線が見下ろしていた。「困ってるなら、僕が書かせてあげようか?」「そのやり取りも飽きたなあ」「飽きた……?」悪魔が目を丸くする。この男にこんな顔をさせるなんて、私もなかなかやるではないか。「大丈夫。まだ上手く…