十二関白秀次さまの母御のもとで子を産むことがなかったのは、そこにも探索の目が張り付いていたからかも知れない。場所にそぐわぬ赤子の泣き声が漏れて、それが誰かの耳に入るのを怖れたのではないだろうか。匿われる側も匿う方も心安らぐ日はなかったことであろう。この先も風に怯え物音に縮み上がる日々を、何年も何年も送らなければならないのだ。関白秀次さまは幼いころから最期に至るまで、太閤殿下にがっしりと鷲掴みされ…
戦国時代の記事一覧
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