こんな夜中にひとり、なんて馬鹿げたことを言っているのだろう……私は。いつもの変人ぶり丸出しで、でもどこかで、信長さまは叶えてくれるかもしれないという微かな期待を持っていたように思う。部屋はすっかりと冷えてきた。結迦は布団を頭までまるっとかけ、仰向けで臥床したのであった。どのくらいの時間が経っただろうか。結迦の身体は、少し横向きになっていたかもしれなかった。ふと、瞼にふっと風を感じて、結迦は眠りか…
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『今は令和と申すのか』【第4回】おおいわ 美紅
出征のときに持っていったのであろう、日の丸にたくさんの名前が書かれた布…遺品整理中に見つけて、手が止まった。
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『ジパングを探して!』【第4回】大和田 廣樹
亡くなった母の遺品整理中に知ったこと、教会への寄付の履歴…「母はなぜ、キリスト教徒になったのでしょうか?」
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第20回】行久 彬
客たちはぎこちない笑顔とどことなく漂う暗い陰を持つ若くて美人のホステスに興味津々で…
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『鶸色のすみか』【第17回】野原 ルイ
母が亡くなって一年。「私、母のこと好きじゃなかったんですよね。母のような大人になるくらいなら…」初めて他人に喋った。
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第26回】
元カノに触った手で触れてほしくなくて、私は夫を振り払ってしまった。その夜、帰宅後ドアを閉めると同時に夫が激しく…
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『遥かな幻想曲』【第17回】尾島 聡
今日妻が入院する――病院までエアコンの送風音だけが車内を満たす二人だけのドライブ
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『毎度、天国飯店です』【第12回】竹村 和貢
「“みずいろ”学級の先生からお話がありました」と話し始める担任。小学校6年生の秋…思い出すと、酔いが引いていった
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『犬の三楽斎』【第17回】上泉 護
今までうなり声など上げた事がない犬が、戸を睨みつけている。誰かいるのか…? よもやあの牢人が俺を討ちに来たのか? 何故?
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『大王の密使』【第5回】都丸 幸泰
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『伊豆の御社』【第5回】ほそや まこと
―こんなつもりではなかった。育ち上がった木の処分を植木屋に頼んだら無残にも…
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『小窓の王』【最終回】原 岳
状況急変。救助用ロープが落石で切れた。「もう、登り返せないですよね? どうするんだよ? どうなっちゃうんだよ…」
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第19回】行久 彬
彼女とは子猫を拾うような出会いだった――真夜中に叫び声のような悲鳴が聞こえてきて…
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『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』【第25回】
「やり直したい。帰って来たの、あなたの所へ…」夫が抱き合っていた女性は元カノだった。びっくりしていたら、夫と目が合って…
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『ぎんちゃんの生きとし生けるものとの対話ー里山生活編ー』【第12回】黒沢 賢成
「本当に人間は馬鹿だね。イノシシは怖がらずに殺す。そしてキツネは化かされるから怖いだって。実にくだらない。」
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『大阪弁で読む『変身』』【第8回】作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰
【大阪弁で「変身」】「助けて、神さん、助けてー!」母親がいきなり立ち上がって、腕を伸ばして指を開いて叫んだ
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『ぽろもきの冒険』【第5回】エゾノ はやと
部屋に転がっていたコインを手にぽろもきの冒険がスタート! スープにぴったりのパンを求めて港に向かって歩き始めるとそこには……
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『ツワブキの咲く場所』【第5回】雨宮 福一
統合失調症で離れて暮らす兄への手紙:三年以上返信がなければ、お兄さんにとっても話しにくいことなのだと思って、自分の心のうちにしまって生きていきます。
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『庭師と四人の女たち』【最終回】草原 克芳
「地獄への道はポジティブな言葉の花束で埋め尽くされてるって、言うからねえ」老いた性格の悪い婆が意地悪く笑った
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『小窓の王』【第21回】原 岳
今日ヘリを飛ばすのは不可能。救助のチャンスは明日の夜明けから昼前まで。それを逃すと、次のチャンスは4、5日後…
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第18回】行久 彬
おかしい…第六感がそう呟いた。「死ぬ場所を求めてここに遣って来たのかも知れない」