【前回の記事を読む】夕暮れの中された相談。少し泣いているような声で言われた「ありがとう」。そして、もうひとりの幼馴染はある決断をする
一
「それじゃ、俺たち、カホともんじゃ焼きチームの卒業を祝って、カンパーイ」音頭をとったマコトの言葉に合わせて、僕とユーとカホも続いた。
「カンパーイ」
とても日差しが強い日で、まるで真夏を思わせる日だった。
「ところで、いつから僕たちは、カホともんじゃ焼きチームになったんだ」コテで、もんじゃの土手をつくりながら、ユーが言った。
「私もはじめて聞いたわ」
カホも不思議そうにマコトに問いただしたが、マコトはのんきなもんで、
「いや、今、つくったの。いい名前じゃん」と言っていた。
そう言われればそうだなと僕も思い、マコトに従った。
「いいね、僕たちのチーム名」
「チームのTシャツでもつくろうか」とまた、マコト。
「ええっー、なんで私の名前なのよ」
カホはふくれっ面をするふりをしていたが、内心嬉しそうなのは明らかで、少し笑いながら、やはりコテでもんじゃ焼きをとりながら言った。
「まっ、カホは俺たちのアイドルだからな」
僕はそう言って、しまったと思ったが、後の祭りだった。それまで和気あいあいとしていた僕たちの会話が途切れて、しぃーんとしてしまった。カホに振られたユーが言った。
「まっ、そう言えばそうかな」マコトも
「まっ、そう言えばそう言える」
僕は、はやくこの雰囲気を変えないといけないと思い、
「じゃあ、カホともんじゃ焼きチームでいいじゃん」
そう言って、僕はみんなを見ずに、もんじゃ焼きを食べるコテで、最初の一口を食べ始めた。カホはというと少し顔を赤らめていたようだった。