「ほんと、マコトさん立派だわ」

するとマコトは調子に乗り、

「そうだろ? 惚れ直しただろ?」

みんな一斉に笑った。カホだけが、真顔で

「何言ってんのよ」

と言って、むっとした顔をしていた。

「そうだよ、カホに振られた僕を目の前にして」

もんじゃ焼きを食べながら、ユーが冷静に言った。

「お前、立ち直り早いね」

僕は、そう言いながらカホを見た。あの牛嶋神社で話して以来、妙にカホのことが気になって仕方なかった。そうとはいえ、まともに話すことも出来ないままでいたのだが。

「そういえば、カホどうするの?」

ユーがカホに言うと

「わたしはね、近くの都立の高校に行くことになったのよ。墨田川高校」

「あっ、ずるいな、すげぇ近いじゃん」とマコト。

僕は前に都立だったらなんとか行かせられると、カホのおばさんが言っていたとカホから聞いていた。カホは、やはりタッキーの言うようにすぐに決めなくてよかったわと言ってきていた。

「うちもお金大変だから、私立は全く無理なのよ。なんとか都立受かってよかったわ。バイトはしないと行けなくなっちゃうかもだけど」

「カホは頭いいからな」

マコトがなんとなく寂しそうに言った。

「タッキーは?」

カホが僕に顔を向けて聞いてきた。

「俺? 俺は千葉県の学校にした。頭悪いからさ、ほとんど落ちちゃってね」本当のことだった。何しろ、勉強はしなかったから。それを言っても、みんな僕の将来には関心がないのか、ふぅーん、で終わってしまった。

ユーだけは、この町を離れることになる。八王子の方の高校になると言っていた。三月の末には引っ越すのだという。

……僕たちはお互い、何も言わなかったけれども、もしかしたら、今日でこの四人で会うのは最後かもしれないと思っていたような気もする。

 

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