それにしても、まったく僕たちは小学生並みの仲の良さだ。中学生にもなって、最後まで、この四人で集まっていたのだから。
「はいよ、みんなこれも食べてね」
カホのお母さんが、なんとメロンを持ってきてくれた。
「おばさん、ありがとう」
カホのお母さんは、いつも手ぬぐいを首にしていて、たくましく、汗をかいていた。二の腕も女性とは思えず、体つきはふとくて頑丈そうだった。きっと、三十年か、四十年したら、カホもこうなるのかと、複雑な心境で、ぼくはカホとお母さんを交互に見ていた。
「人生は分からない」
僕がつぶやくように言うと、ユーが乗ってきた。
「ホント、人生分からないよね、マコトが就職するなんて」
僕が言う意味と全く違う意味で、ユーが感心しながら、語り始めた。
「出た! ユーの人生論」
マコトがユーをからかいながら言った。
「だいたい仕方ないだろ、家に金ないんだからさ、選択の余地無し! オレは、働いて、矢沢永吉みたいに成り上がるんだ」
「でももったいないわよね、あんなに柔道が強いのに」
「でも柔道じゃ飯食っていけないからな」
マコトの言葉に、僕たちは、何も言えなかった。
確かにそうだよなと思ったし、今の場合、何を言ってもマコトには慰めにもならない気がした。しかし、当のマコトには、全く悲壮感もなければ、迷った様子もないのだ。僕は、そんなマコトを見ながら、たいしたもんだと感心していた。
「確かにな、それにしてもお前は親孝行だよな。柔道しているマコトよりも、働いておやっさん助けようっていうマコトは、かっこいいぜ」僕が言うと、みんなが追随した。
「そうね、確かにタッキーの言う通りだわ。かっこいいわよ、マコトさん」
「それがさ、そうでもないんだよ。親父は中学中退だったから、最後までもう反対でさ、結構大変だったんだ」
「それにしては悩んだ形跡ないな」
僕が言うとカホが続いた。