【前回の記事を読む】「彼女が入院している病棟で、彼女を虐めていた奴が二人も…きっと裏に何かある。警察が来るなら俺も証言する」…は? 探偵気取りか
眠れる森の復讐鬼
「君もその信永梨杏の生霊を見たって言うのかね」
口髭を捻りながら金清が訝し気に海智を見つめて言った。夜が明けると、早速海智が自室に呼び出したのだ。
「ええ、見ました。確かにあれは梨杏のようでした。一夏は嘘をついていません。それと同時に非常階段のドアも確認しましたが鍵は掛かっていました」
「でも誰かが侵入した後鍵を掛けたとも考えられるだろう」
「非常階段のドアは内側からも鍵がないと開けられない。見つかった時にすぐに逃げないといけない犯人がわざわざ内鍵を閉めるでしょうか?」
「確かに。君はなかなか鋭いね」
「そうなると、やはり監視カメラの映像が重要な証拠になります。金清さん、もう一度監視カメラの映像を確認しましょう」
「いや、それはやめておいた方がいい」
金清はきっぱりと言った。
「何故です? 前回は自分から調べようと言ってくれたじゃないですか」
金清は眉間に皺を寄せて言った。
「前回は事件性がないと思ったからやったんだよ。だが二人も不審死したとなれば警察も本格的に動き出すだろう。そうなると、彼らも監視カメラに目をつけるはずだ。そこで俺達が勝手なことをして変な疑いを持たれたら困る。前回借りたのだって、ばれたらどうなるか。ここは警察に任せろ。監視カメラの情報ならまたあいつらから聞いておくからさ」
「信用できません」
「は?」
「この間、金清さんは七月十八日夜、睡眠薬を貰いにナースステーションに行ったと言っていましたが、嘘ですよね。一夏に確認しました。一体何をしに行ったんですか?」