一郎は自分がうぬぼれていたと、強く思った。「自分にもっと力があったなら自分の目の前で、四人もの人が殺されることはなかったはずだ」と思った。一郎は幼い頃から霊媒体質だった。小学生高学年になってから、その忌まわしい体質は強くなり、動物霊などが突然頭や背中に乗ったり、金縛りにあったりするようになった。霊は見えないし自分に何が起こっているのかなど、子供にわかるはずはなかった。しかし霊が見えないかわりに感…
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