第一章 道 程【1】自室の床に仰向けになって、静かに目を閉じていた。学校から帰ってからもう一時間以上、ここにこうしている。開け放った窓から秋の西日が差し込んで、自分の周囲を照らしている。目を開ければ、窓の外には真っ青に澄み渡った秋の空と、真っ赤に色づいた庭の紅葉のコントラストが見えるはずだ。宮神の家は代々この地域の農家を取りまとめる村の長だった。曾祖父は算術に長けて、若い頃から米づくりよりは商売…
小説
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